ウソつきは成長の始まり!?子どものウソは大事な発育のサインだった!?【藤原さんの育児学Vol.17】
ウソをつかれても叱るべからず! “見抜く”と“分析”がマスト!
政治家を筆頭に大人の「ウソ」が問題となっています。トランプ大統領もフェイクニュースなどと、自分に都合の悪いことをウソと決めつけているように感じます。
今回は、子育てにおいて必ず経験する、子どものウソについてお話したいと思います。
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「ウソ」とは、基本的に相手をだまそうとして言う言葉や行動です。日本では昔から「ウソつきは泥棒の始まり」などと、ひとつのウソが人生に影響を与える危険を教訓として教えています。
しかし、私もですが皆さんも嘘をつくことはありますよね?
国会中継を見ていても、芸能人の謝罪会見を見ていても、ネット上の情報を見ていても、現実社会はウソにあふれています。
そのため、これからの社会は、ウソを見抜く力がとても大切になってきます。
そもそも、人はなぜウソをつくのでしょう?
自分の身を守る保身、欲望や権力争い、無責任な言動、または深く考えずに適当に口から出た言葉かもしれません。
人は人生初の嘘を「2才」で言い始めます。
お菓子を食べたのに食べていないと言ったり、トイレに行きたいのに大丈夫と言ったり、事実と違うことを言えるようになります。これは、考える行動や感情が芽生えてきた事から、親の次の行動を予測し、対処の行動がウソになっていると考えられます。
では、このような2才児の「ウソ」に対して、みなさんはどう対応しておられますか?
もちろん叱るのはダメです。分かっていてダマされますか?
いえいえ、ここはちゃんとウソを見抜いてあげる事が大切です。
子どもは、1才3ヶ月頃から物を隠したり、“いないないばぁ”などで隠れて表れることを楽しむようになります。自分の気持ちを隠すことや自分の身を守ろうとしての行動、それを分かってあげる事でコミュニケーションを楽しむようになってきます。
事実と違う事を言ったり考えたりすると、お人形遊びや列車などを使い「自分の世界」を作り、想像して遊ぶ事も始まります。
そして、3才頃になると、子どもは親のウソを見抜くようになってきます。
その場しのぎで「今度の日曜日は遊園地行こうね」などと気安く約束できなくなってきます。自分の言った言葉に責任を持つことが重要であると認識しはじめるのです。
このことからも「ウソが人間の成長に必要な事」が分かりますね。
さらに、4才前後になれば、悪意あるウソをつくようになります。
子ども達は、叱られることが分かっていて、あえてウソをついて物事の善悪を確かめるようになります。
自分が見られているか、愛されているかを確認しているので、ちゃんと注意して悪意あるウソを止める事が親に求められる段階です。
ウソを放っておくと、寂しさからウソがエスカレートしてしまうので、子どもが孤独にならないように意識することが重要です。
そして、5才を過ぎれば、「ついて良いウソ」と「悪いウソ」の区別が始まると言われています。
例えば、家のカギの場所を他人に「知らない」と言ったり、本当はお菓子が欲しいけど遠慮したりといった、誰かのためにウソを言えるようになります。
皆さん、「誰かのためにつくウソ」というのは、一方で危険な要素をもっている事に気付かれますか?
自分ではない誰か……。そうです、お母さんやお父さんに気に入られるためにウソの自分を演じる事も始まるのです。
家で良い子でも、保育園や幼稚園では乱暴な行動をとるなど、内と外とで二面性が出てきたら要注意。
親に叱られたり期待に応えようと、親の前で頑張って良い子を演じていると、ストレスが園など外での行動に現れてきます。
今は3月の進学・進級の時期ですが、親や先生に気に入られるためにウソの自分を演じていた子どもは、先生が変わった途端に居場所を無くしてしまいます。
家庭の中で、子どもがウソをつかなくても良い環境を整えてあげましょう。
年齢に関係なく、春の生活環境が変わるこの時期は、休む時間や甘える時間をしっかり作ってあげることで、子どもは自発的に頑張れるようになります。
子どもは、ウソを見抜かれた時に喜ぶ面を持っています。親としては、子どもにウソをつかれるとショックが大きいですが、感情的にならずウソの持つ意味を考えてみましょう。
心の無いAIはウソをつけませんよね。でも、子ども向けのお喋り人形は「いっしょに遊ぼう」など嘘になる言葉を吹き込まれています。
大人になってからのウソは、信頼を失う絶対悪ですが、子どもにとってのウソは必要悪なのかもしれません。
10才の息子に「ウソってどんなもの?」と聞いたところ、「便利だけどスッキリしない」とかえってきました。
長々と書いた今回のコラム、またしても息子に一本取られました(笑)。
【レインディア藤原さんの過去コラムはコチラから↓】
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この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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