13歳の息子と父の関係が悪化。何が原因?どうしたら修復できる?【本当にあった育児相談Q&A】
思春期真っ盛りの13歳の男子中学生と父の微妙な関係。修復する際のポイントは?
こんにちは。レインディアの藤原です。
今回のコラムも相談実例をご紹介します。私が育児相談を受ける時に注意しているのが、お子さんの事と同時に《相談者さんの状態》。
元気な人もいれば、疲れていたり、憔悴しきっていたり。または本質的な悩みがほかにあったりすれば、解決策を提案しても実施できなかったり。すぐにほかの問題が出てきたりしてしまいます。
今回のご相談も、そういった視点が入った回答となっています。
〜相談内容〜
(相談者:13才・男の子の保護者さんから)
もうすぐ出産になります。13歳の息子、8歳の娘がいます。息子と父親の関係が悪化するばかりで、出産のことよりも悩んでいます。
夫は細かい性格で「食事中の息子の食べ方が汚い」と毎日本人に注意したり、私に視線を送って注意しろというような仕草をします。それも、私にとってはストレスです。思春期の息子が注意されることに対して素直に応じるわけもなく反抗的な態度を取ります。(お互いに言い方も上からモノを言う態度なので、私も聞いててヒヤヒヤします)また、それを夫が真正面が受け止めて、負のスパイラルとなって空気が悪くなります。
今日は息子と夫でバスケットシューズを買いに行き、ほかに必要なものはないかと息子に聞いたくせに、息子が欲しいリュックを乱暴に渡してきて気に食わなかったからという理由でそのリュックは買ってあげなかったそうです。息子は恐らくそれがきっかけで、帰ってきてから夫と一緒に食事を摂ることを避けようとしたり、不機嫌になってしまいました。
夫からすると、「これが欲しいんだけど、買ってくれる?」というような言葉があれば買ってあげたけど、買ってもらって当然のような態度だったから嫌だったそうです。息子の語彙力が弱いのと、反抗期というのが重なって素直に言えなかっただけだと思うのですが・・・。
私はズボラな性格もあり、息子についてあまり干渉しない。反抗的な態度に対して許せる範囲で受け流している。自分も今でも反抗期のような大人なので正直息子が考えていることがなんとなく分かるため、寄り添った言い方ができるので息子はマザコンのようにくっついてきます。
2人にどう伝えていけば、関係を良好に修復できるのか分かりません。
13歳の息子さんは年相応の発達段階。心配はなさそうです
13才の息子さんと、お父さんとの関係悪化。これは100%、父親が思春期の成長がどういうモノかを知らない事が原因ですね。ただ、父親はプライドが高く、中々人の声に耳を傾けないので、よくある事例ですが難題。
男の子、男の人は「尊敬できる人物」がいるか、いないかが成長に大きく関わってきます。
父親を尊敬できなくなっている現状は、お互いがマウントを取ろうとするので争いばかり。男の争いを見ていて、お母さんは不安になると思います。けれど、今の息子さんは自分の考えで行動する段階。すなわち反抗は自立心が高まっている証拠なので、順調に成長していると言えるでしょう。
息子さんは現在13才。これからの1~2年で身体も大きくなり、声変わりや精神的な成長もいっきに進みます。力で父親を超える事も出てくるでしょう。数年後には、子ども扱いできなくなってくると思います。
「マザコンのようにくっ付いてくる」との事ですが、これは今だけ。最後のママへの甘えの段階なので、しっかり甘えさせてあげてください。
以前、ほかのお子さんの話ですが、ママの服の中に手を入れてくる子、ずっとママのおっぱいをさわっているという中一男子の相談を受けた事があります。母親を異性として見る行動が第二反抗期初期、13才ごろの男の子にはありますよ。
また、これから3年間くらいに渡って、ホルモンの変化が大きくなり、行動が急激に変化。
ママに甘えることがなくなるどころか、反抗したり、顔も見ずに話をするようになったり。素っ気ない態度になると思いますが、これがサナギの段階。自身の身体の変化に対峙するだけで、いっぱいいっぱいになっている段階です。高校生に上がるころには、これらも治まってくるでしょう。
すなわち、息子さんは正常にちゃんと成長しておられると感じるので、息子さんへのアドバイスはご相談内容からは特にありません。
この問題のメインはお父さん。まずは「12~14才ごろの話」を聞いてみることから
問題はお父さんですが、まずはお父さんの12~14才ごろの話を、晩ご飯の時にでも聞いてみてください。
男性は、過去の武勇伝を語るのが好きな生き物。息子の発達を教えるよりも、まずは自身の思春期時代を思い出させましょう。
何度か繰り返していると、最初は武勇伝ばかりだった話題が尽きて、自身が大人との関係に苦心した事を思い出すハズ。そのうえで、第二反抗期の発達についての情報提供をすると、息子さんの気持ちにも気付くと思いますよ。
そして、それらのキーになるのは、やはり妻であり母である相談者さん。
現在、出産を控えておられるとの事なので、女性ホルモン量も増えているでしょう。そうすると、将来の事の不安が高まったり、かなり先の未来の事を考えてしまったりする変化もあります。
逆に言えば、今回の親子問題が気になってストレスを感じるのも、出産を控えている事がひとつの理由として考えられます。家庭内のすべてをうまく回したい思い、それは命を授かるうえでとても大切な感情です。しかし、考えすぎてストレスを溜めるのはよくありません。
お父さんもきっと、新たな家族の受け入れの不安もあるでしょうし、上の子ども達にはしっかりして欲しい気持ちも高まっている事だと思います。ふかん的に見れば、今回の悩みは、家族がお互いの事を意識している上での悩み、いい家族の証かもしれませんよ。
息子の食事マナーへの注意は、息子にとって必要な教育でしょうし、バスケットシューズを2人で買いに行く事自体、できない父子も多いです。
赤ちゃんが生まれれば、お兄ちゃんも妹さんもママへ甘える時間が減りますから、いろいろとストレスを感じるでしょう。お子さん達にも夫にも、言葉で愛情表現してあげてくださいね。
今後も気軽にご相談いただければと思います。安産お祈りしております。
いかがでしたか?今回は、「出産を控えている」点がひとつのポイントでした。
つわりの時期、マタニティーブルーと言われるような段階。産後や月経復活、卒乳など女性特有の身体や思考の変化があります。お母さんの不安にどう寄り添っていくのか?この辺りの研究も、今後進んでいく事を願っています。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。育児に関するお悩み、以下のフォームよりお気軽にお寄せください。
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10月から、『鳥取大学医学部付属病院』で子育て中のママ・パパ向けの連続ミニ講座がスタート。鳥大病院・武中病院長が、地域の人々に大学病院をもっと身近に感じてもらおうと市民講座を提案され、病院モニター会議などで出た意見を集約し、今秋からの新企画として始まったものです。
実は、この企画の土台作りや企画運営に私が関わっていたりします。普段、育児支援をしていると、エビデンスのない無茶なアドバイスをしている人や講座と出会うことが多々あり、みなさんにちゃんとした情報提供の必要があるとずっと感じていました。病院の先生方の協力で実現できたこと、とてもうれしく思いますし、みなさんにはぜひご参加いただきたいと思います。
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この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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