15才の娘、友達の輪から離れて帰りも深夜に。どう接したらいいでしょうか?【本当にあった育児相談Q&A】
第二思春期に入った女子高校生。特性とは?接し方のポイントは?
こんにちは。レインディアの藤原です。
10月に公開した15才の行動変化に関するコラム。かなり反響いただき、その後、全国から同世代のお子さんのお悩みが寄せられました。身体の変化に心の成長がついていかない時期、親も子どもも葛藤している事が伺えます。
この年齢までくると、複雑な人間関係や背景があります。どんな人間関係があるのか知る事が的確なアドバイスに繋がりますので、フォーム入力時にその辺りも記入いただけるといいかと思います。
〜相談内容〜
(相談者:15才・女の子の保護者さんから)
今回の記事を読んで「第二の思春期」という言葉にまさに当てはまり、しっかり読み込みました。
娘は憧れの女子高校生になり、始めは順調でよくいる女子高校生でした。しかし、友達の輪からだんだん外れ、高校生活が上手くいかなくなり、居場所を探してバイトを始めてから、夜の帰りが深夜を越える日々。
休みも誰と会っているか分からないし帰りも遅い、そんな状態が続いています。心配を越してしまい、諦めてしまいました。
15才はコミュニティの外への関心が高まる時期。両親以外の大人の存在がポイントに
友達の輪からだんだん外れ、高校生活が上手くいかなくなり、バイトを始め、家に帰るのが夜中・・・。前回のコラムに書いた「15の夜」そのものですね。
まず、15才にもなると、性格が合わない知人と付き合うことが大きな苦痛となります。日本の教育環境では、一般的に同級生の友人としか人間関係を作れません。友達に裏切られたり、誤解が生まれたりして亀裂が入ると、それをフォロー・支える人が不在のため、誰にも相談せずにひとりで抱え込んでしまいます。
そして、バイトなど大人の世界への憧れ、同級生のいない社会へと居場所を求めて外へ。夜は、15才にとってはスリル満点なワクワクドキドキの時間帯。今は夜行性生活が楽しいのだと思います。
しかし、それは大人からすると格好の餌食。今は、運任せのとても危険な状況だと感じます。
親の言うことは聞かないし、顔を合わせるタイミングも減ると、どう対応したらいいか悩みますよね。
このような場合、ご両親の親族など、信頼できる第三の大人の協力が得られるといいのですが、相談者さんにはおられませんか?
映画にもなった「君たちはどう生きるか」のように、伯父さん・伯母さんの存在は、子どもからするといい距離感の身内。祖父・祖母は、親の味方に立つケースが多い一方、伯父・伯母は親の味方になり過ぎない、適度な距離感で対応をしてくれる場合が多いと感じます。
法事など、何か家族が集まる機会でもあれば、娘さんの現状を知る事に繋げられるのですが、現代社会では中々難しいですかね。
周りに保護者さんのお友達など、協力してくれる大人がいない場合、次は娘さんよりも弱い存在を作る方法もあります。例えば、ペットを飼ってみる、近所の子どもの子守をお願いしてみるとか。
15才は、初心者マークの大人。逆に言えば、大人社会では“若気の至り”である程度を許されてしまう状況があります。そんな大人ヒエラルキーの最下層に立つ娘さんは、上ばかり見て生きているはず。
小さな子どもや動物など、弱い生き物とふれ合うと、自分自身を客観的に見る事に繋がります。
子どもが発する“小さなSOS”に耳を傾けて
そういった第三者の協力が難しい場合、相談内容にあるように、お母さんとしては諦めてしまいがち。けれど、娘さんの中には「親が心配している」、「悪いことをしているかも」という気持ちは残っているはずです。なので、諦めずに娘さんがたまに発する言葉を、聞き逃さないようにしていてください。
もしかしたら、半年に一回。それも聞こえるか聞こえないかの小さな声かもしれません。その中には親に対する要望や、気持ちを素直に伝えている事が多くあります。
親子関係が悪化する家庭では、そのわずかなチャンス、小さな言葉を聞き流してしまう事が、悪化の要因になっているケースも。
子どもは「親がちゃんと自分の味方であるか」を確認するもの。
お母さんも忙しいと思いますし、娘さんはお金がかかる事を言い出すかもしれません。しかし、人生の中で必死にもがいているのが今の娘さんです。多少の無理は叶えてあげて欲しいと思います。
一方で、娘さん自信の言葉ではなく、娘さんが誰かに利用され、親に要望を伝えていると感じた時には、徹底的に話し合う事が必要です。人を洗脳するには、その人の情報を多く知るのが基本。娘さんの事が分からなくなっている相談者さんは、かなり不利な状況です。
まずは、相談者さんがどのような1日を過ごし、今までどんな人生を送ってきて、今どう考えているのか。時間をかけて娘さんに伝えてください。お母さん自身の人生の苦しみや、楽しかった思い出を娘さんに伝える事ができれば、娘さんの行動は変わってくると思います。
大切な事は《娘さんの事を知ろうとするのではなく、お母さん自身の経験や情報を教える》こと。最初に自分の事を話してから、相手の事を聞きましょう。
女の子は、生理周期などで感情や、考え方の変化が激しい子もいます。追い詰めるような発言は絶対にしないでくださいね。
また、容姿に関する意見はなるべく言わないのが吉。娘さんは、生活リズムが崩れていますし、勉強や部活も先が見えない状況では、容姿や女子高生というブランドを心のよりどころにしている段階かも。
鏡を見て、自分自身を手助けしようとするのが女の子ですし、生まれてからずっと“自分が一番”という意識で心の平常を保つので、容姿への否定は控えましょう。
子ども自身が家庭を「戻れる場所」として認識してもらうためには
そのうえで、何か頑張っていることがあったら、しっかり応援してあげましょう!
そして、できれば最低限の約束事を作れたらいいですね。
- 薬物や、薬物を使った事のある人とは付き合わない
- 身体を売らない、写真や動画を撮られない
- 危険や問題があったら警察に通報する。ガマンしない
- 借金や後払いをしない
など。言葉で伝えられなければ、お手紙やLINEなどでもOKです。
おそらく、これから危険な経験もすると思います。そういった時に《戻れる場所》として諦めずに、見守っていてあげてください。
過去のコラムで書いていますが、この後の年齢では正義感が現れてきます。社会的に見て良いか悪いかは別ですが、本人の中では正しいと考える行動が始まります。
このまま大人になるワケではないので、頭ごなしに否定せず、悲観せず、味方でいてあげてくださいね。
何か質問などありましたら、お気軽にお問い合わせください。よろしくお願いいたします。
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この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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