小5の息子が不登校気味。声掛けは?何を変えていけばいい?【本当にあった育児相談Q&A】
小学校5年生の息子が不登校に。兄妹の関係は?どう接したらいい?
こんにちは。レインディアの藤原です。今年の梅雨も暑くて辛いですね。
最近、夜になると、自宅の窓ガラスにヤモリが出てきて、娘はそれを見つけて「かわいい!」とジッと眺めて喜んでいます。確かに、ガラスで裏から見ると、小さな手でちょこちょこ歩いてかわいいかも。子どもの反応にほっこり癒やされます。
さて、今回の育児コラムも、実際にいただいた相談への返答をご紹介したいと思います。
様々なパターンで現れてくる「不登校」に関するお悩み。今回は、すでに訪問看護やカウンセリングといった専門家の対応を受けておられるご家庭です。
〜相談内容〜
(10才・男の子のママさんから)
姉(中1)、妹(5歳)のいる真ん中の息子ですが、小4の5月頃から学校の行きしぶりが始まり、だんだん学校に行く機会が減り、5年生になってからは月に1~2回、今月は一度も行くことができませんでした。
月に1回、訪問看護やカウンセリング受けています。ほぼ毎日、5歳の妹とのトラブルでイライラしています。
少しは本人もこのままじゃダメだと思ってはいるのですが、朝になると起きられないでいます。夜は10時頃には寝ています。朝から声かけしても起きられない、あまり言い過ぎると暴れてしまい、ますます布団から出てこなくなってしまいます。
こんな毎日もお互い疲れてしまい、最近は何も言わないで様子を見ていますが、やはり自分では起きてくれません。
どうしたらいいかわからないです。
男の子の不登校のトリガーは「尊敬する大人」の存在
現在10才の息子さんが、学校に行けなくなった明確な理由はなさそうですか?
例えばプールの授業がイヤ、嫌いな先生がいるといった、具体的な不満を過去に言っていた事がありますか?
また、習い事、野球やサッカーをはじめ、スポーツ教室に通うなど、学校以外で社会とふれ合う時間はどうででしょう?
不登校の男の子と出会った時、私が必ずする質問があり、それは「尊敬する人はいる?」というもの。男の子は、尊敬する人の存在がかなり重要で、学校の先生や部活の先生を尊敬できないと行き渋りが始まります。
お父さんやおじいちゃん、野球選手や芸能人、誰でも構いません。男性で尊敬している人がいるといいのですが。おられたら、その人に会いに行ってみたり、スポーツ選手なら試合を見に行ってみたりすることが、頑張る原動力となってきます。
もし、いない場合、息子さん本人もどの方向に向かえばいいのか分からず、解決のハードルが少し高くなります。
10才ごろの成長の変化としては、それまでは世の中のいろいろな事に疑問を持って行動していたところから発展し、「決めつけ」の行動へと移る時期。
例えば、8~9才の子どもは、「なぜ虫は動いたり、飛んだりできるのだろう」と疑って虫を観察したり、「アイスクリームをとかして食べたらおいしいかも」と放置してみたり。一見、子どもじみた行動をしますが、これらは自分で考えて理解するための実験の行動でした。
しかし、10才ごろになると、虫は危険で気持ち悪いもの、アイスクリームは冷たいまま食べるものと決めつけ、子どもじみた行動が減少。
人間関係においても、10才になれば「ママに言っても、返ってくる言葉はどうせ分かっている」、「先生は成績のいい子を優先するんだ」と、決めつけの行動が始まります。
決めつけが始まると、親や先生の言う言葉は、表面上にしか届かなくなるので、同じような言葉を言っても追い詰めるだけに。朝の声かけで暴れるのも、「お母さんが言うことはもう分かっている」、「同じ事しか言わない」と決めつけられてしまっているのでしょう。
この場合、戦略を変えていく必要があると思います。息子さんがマンネリ化した日常から出るためには、お母さんの声かけにも少し変化を与えて、意表を突くような言葉を投げかけてみてください。
兄弟姉妹がいる家庭は月1回程度の「親子デート」を!
また、兄弟姉妹がいる保護者さんにお願いしているのは、家族そろってのお出かけだけではなく、一人ひとりと個別に時間を取ってくださいと。ぜひ、息子さんをふたりきりのデートに誘ってあげてください。
今の年齢では、中々出てくれないかもしれません。けれど、男子の力が必要だからなどと理由を付けて、買い物や遊びに連れ出してみてください。
学校に行っていないのであれば、いつでも思い立った時がタイミング。天気がいいからとか言って、ふたりでおいしいお寿司を食べるなど、ちょっと贅沢をして家族への秘密をつくってみましょう。
できれば、その先で寿司職人の男性を見る、映画やコンサートでカッコいい男性を目にすると、よりいいと思います。
男の子が自分だけの世界に入れる空間を用意してあげましょう
5才の妹さんに息子さんがイライラするのは、いたって普通といいますか、一般的な反応です。
部屋を分ける、息子さんしか入れないコーナーを作るなどして、息子さんが自分だけの世界に入れる空間を用意してあげましょう。
親としては、兄妹仲良く!と思われるでしょうが、子どもは基本的にほかの子どもをライバルとして捉えてしまいます。
自分より5才も年下で、弱い存在と頭では分かっていても、同時に「命の尊さに、年齢や強い弱いの差はないのに、なぜ自分が我慢しなければならないのだ」と、不満に感じてしまうのです。
朝になって起きられないのも、布団にいながら、他の姉妹が起きている音を聞くだけで出られなくなっている場合もあるでしょう。学校に行けない罪悪感から心が痛むと、いろいろなものを過敏に捉えてしまいます。
音もそのひとつ。ヘッドホンなどで音楽を聞くなど、自分の世界に集中できると、心を落ち着かせる事につながるかもしれません。
息子さんに、趣味やコレクションは何かありませんか?
男の子はコレクショングセがある子が多く、ミニカーやプラモデルなどを集めて満足します。現代の子では、それがタブレットやパソコン、ゲームなるかもしれません。ご家庭ではゲームなどと、どのように付き合っておられますか?
10才という段階での不登校は、成長の狭間でいろいろな事が考えられます。今回の内容や質問を踏まえて、またお返事いただければ、より詳しく分析し、言語化できるかなと思います。
お母さんも辛いところだとは思いますが、またお知らせいただければと思います。
朝起きられないお子さんが多くおられます。私自身もそうでしたし、最近では起立性調節障害など、病気が理由になっている事も徐々に知られるようになってきました。
今回のご相談のように、すでに様々な方が関わっている場合、お子さんへ原因究明の取組みや、病院への案内などはされている事でしょう。
ですので私からは、お母さんが現状を理解する事、そして親子関係が良好に保てるアドバイスをさせていただきます。
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この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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