赤ちゃんの発育と音・音楽の関係とは?好む音、与える影響など
【妊娠中~2才ごろ】音楽・音と赤ちゃんの関係をひも解く
こんにちは。レインディアの藤原です。
春休み、みなさんは子ども達とどのように過ごされましたか?
子どもを家でお留守番させておくと、ずっとテレビやYouTubeなどのメディア漬けになってしまうので、私は仕事場へ連れ出していました。
先日、娘と納品作業に行き、移動の道中にある公園や展望台に立ち寄り、束の間の親子デート。ドライブ後半、話題の尽きてきたころ、何とか機嫌良く過ごさせようと娘に、「何か好きな音楽は?」と投げかけると、私の知らない曲を言います。
そこで、スマホに「○○をかけて!」とお願いし、再生してもらうと、ご機嫌にリズムを取って歌い出してくれました。本当に今は便利な世の中ですね。
家までの道中、いろいろな音楽を聴きながら、学校の話題や曲を知ったきっかけを教えてくれます。
仕事を手伝ってくれたり、自分で好きな音楽を見つけたり。いつの間にか、私の知らないところで成長している娘が頼もしく感じられました。
ということで、今回のコラムは「音楽」や「音」をテーマにしてみたいと思います。
以前のコラムで、音楽と成長段階の関係性を書きましたが、今回は赤ちゃん期を深掘り!
妊娠中~1才ごろまでの赤ちゃんの成長と音の関係性
赤ちゃんの五感は「耳から育つ」と言われますが、それは妊娠期の体内では目を開けても見える景色は変わりませんし、羊水の中では嗅覚も使えません。食べることがないので味覚も育っていない。手足もまだ自分の思い通りに動かせないことから、触覚も未熟であろうと、消去法で聴覚が最初に育つと考えられているのだと思います。
「胎教」など、妊娠期にお母さんが聴いていた音楽を、生まれた赤ちゃんに聴かせると泣き止むといった話はよく聞きます。
しかし、脳の記憶できる部位はまだ育っていないため、耳から入ってきた音楽を脳が覚えていて、それを懐かしい、または聞き慣れた音楽として泣き止むのは、あり得ない話です。
そもそも、羊水の中にいる赤ちゃんには、低音しか伝わりません。赤ちゃんの耳に届いているのは、音楽というより、ベースやドラムの低い音のみでしょう。
プールや湯船の中に入った時をイメージしてみると分かりやすいでしょうか。
どちらかというと「胎教」では、ママが好きな音楽を聞いてリラックスした事、ママの心拍数が上がって赤ちゃんが反応したことが、何となく音楽と連動して赤ちゃんに伝わっている、感じられているのだと。
ですから、胎教が無意味なわけではなく、むしろママの好きな音楽を聴くことはとても大切な事なのです。しかし、赤ちゃんのためといって、ママが興味のない曲をお腹の赤ちゃんに聴かせるのは推奨しません。
出産後、お母さんの声が低くなる、気に入って反応するおもちゃが「ガラガラ」やビニール袋のカサカサ音など響かない音を出す、泣き声もオギャー!と低い声で泣くことからも「音の高さ」の重要度が推察できます。
泣き声は8ヶ月ごろから、だんだんとキーキー声の高い音を出すようになり、周りの大人も「マザリーズ」と呼ばれる、赤ちゃんが喜ぶ語りかけに繋がっていきます。
1才ごろには、「ママ!」とか「ブーブー!」とかの意味のある単語を話し始めます。
このころには耳も育ち、言葉の輪郭を聞き取るように。音楽を流すと泣き止むようになり、一定のリズムで流れる音楽は、赤ちゃんがもっとも落ち着く「ママの心拍音(数)」を感じる音となって届きます。
ドライブに連れていくと寝てくれるのも、エンジンやタイヤから伝わるロードノイズが、リズムとして伝わるからかもしれませんね。
【本題】赤ちゃんが好む音の傾向とその特性を解説
では、どんな音楽を赤ちゃんは好むのでしょう。
そもそも、「好む」という表現が誤解を生みそうですが、赤ちゃんの音の好き嫌いは、《成長に合っているかどうか、赤ちゃんの反応を見る》方が賢明。
赤ちゃんを寝かしつける時、子守歌を歌ってあげることがありますよね。これはママの声に安心するのと同時に、《音の情報が少ない》ことで、耳や脳が過度に働かなくて良いため、赤ちゃんが落ち着く、眠ってくれることが考えられます。
ママの声を聞き、ママの声に集中することで、脳が適度に疲労し、休憩モードに入るのでしょう。
逆に、「騒がしい音楽」だった場合はどうでしょう?
赤ちゃんは、大人のように耳に入ってきた音をまだ処理できず、騒がしい音だったとしても、耳の鼓膜は動かすけど、脳で覚えるまではいきません。
赤ちゃんの話す言葉が、単語の最後の音を取り上げる、例えば「自動車」→「シャ」、とか「タラちゃん」→「ちゃん」となるように、記憶力が未熟で音を整理できない段階では、耳に残った最後の音だけを話すことから始まります。
その後、耳で音の輪郭を捉えられるように育ってくると、「バス」とか「ニンジン」といった単語を習得。2才ごろには文章を話すようになり、すぐに音程を取って歌を歌うようになります。
2才代では、歌を覚えると同時に、振り付けも覚えられるので、歌って踊って、家族を楽しませてくれるでしょう。
赤ちゃんの成長では、耳に入ってきた音をどの程度処理できるのか。その点が成長に合っているか、合っていないのかの分岐点。
騒がしい音楽であっても、赤ちゃんの耳には残らないので、大人が子どもに合わせて好きな音楽を聴くことをガマンしなくてもOK。ただし、音量だけは抑えてあげましょう。
音に関しては、音質と音量があり、スピーカーをイメージすると分かりやすいかと思いますが、高音を出すスピーカーは口径が小さく、低音を出すスピーカーは大きな○となります。
空気をたくさん振動する高音は、情報量が多くなり、音の方向性や鳴っている位置などを把握する要素になります。
低い音は方向性がなく情報が少なくなりますが、壁を通り抜けたり、水の中でも伝わったりと、リズムを刻み雰囲気を作り出します。
赤ちゃんを呼ぶ時、裏声で高い声にするのは、「こっちを見て」という方向性の情報を伝えていますし、抱っこして親の心臓の鼓動を感じると落ち着きます。
ちなみに、私はジャズが好きなので、店や『コーセリ』でもジャズを流すことが多いのですが、音楽が流れていると赤ちゃんが泣く率がぐっと減り、子ども達が遊びに集中してくれます。
また、中学生の思春期にある息子は、部屋にこもってワイヤレスイヤホンで音楽に浸る生活をしています。
思い起こせば、私も中学生時代、ケンウッドのミニコンポを買ってもらって、ずっと音楽やラジオを聞いて過ごしていました、いや〜懐かしい。
思春期のモヤモヤ感と戦うには、音楽の力は絶大ですよね。
家族で同じ音楽を楽しめるようになってきた今日、父親としての役割はひとつ終わったのかなとも感じています。
もしかすると、音楽は自立を促すのかもしれませんね。子ども達に、たくさんの音楽を楽しんで欲しいと思います。
そして、子育て学習センター『コーセリ』にも、赤ちゃんから大人まで使える様々な楽器を用意していますので、みなさんも遊びに来てくださいね。
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この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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