みなさんこんにちは、鳥取・島根のタウン情報誌「ラズダ」編集部です。

ラズダとっておきの別冊本「鳥取・島根のリーディング企業2024」が山陰の各書店にて発売中です♪

鳥取・島根には業種を問わず、“山陰から世の中を元気にしたい！！”と本気で考えている企業がたくさん。

本誌で紹介しているのは、山陰を、日本を元気にしよう！という熱い想いを持つ65の企業。「この企業で働いてみたい」「こんな人たちと仕事がしてみたい」そんな企業がきっと見つかる就活情報誌です。

今回は「鳥取・島根のリーディング企業2024」の中から、私が特に気になった企業をピックアップ！新卒就活、転職、UIJターンの参考にしてみてくださいね♪

忙しない日々から抜け出し、時を忘れ、季節を五感で味わえる至福の時―。そんな非日常のおもてなしを堪能できるのが、城下町松江の湖畔に佇む老舗旅館「皆美館」です。1888年の創業以来、行き届いた心遣いと旬の地元食材を生かした伝統の味、そして宍道湖を借景とした枯山水庭園などが多くの人々を魅了し、皇族を始め、著名な文化人、政財界人、芸術家らに愛されてきました。

創業以来のモットーは、茶人としても知られた松江藩７代藩主、松平不昧公が遺した教え「客の心になりて　亭主せよ」。５代目を継承する皆美佳邦社長（65）は、「コロナ禍が長引く中、非日常のおもてなしが益々求められています。宿泊業者として、お客様が安心安全に癒しを感じられるサービスの提供に一層注力しています」と語ります。

コロナ禍で各地の宿泊業者は苦境を強いられました。皆美館のほか、玉造温泉「佳翠苑皆美」など法人３社、６店舗を展開し、ブランド力を誇る「皆美グループ」も例外ではありませんでしたが、健全経営の中、黒字体質を維持。その理由の一つが、多様性と多角化でした。

日本の趣を伝え継ぐ皆美館は、2007年、“ 和のオーベルジュ”としてリニューアル。100室以上の大規模旅館である佳翠苑皆美も、時代のニーズに合わせて変化させてきました。11年には、レストラン「ふじな亭」の仕出し部門を独立させた「お届け厨房」を新設。料亭の味覚を全国発信する「MINAMI ONLINE STORE（ミナミ オンライン ストア）」もスタートさせました。17年には、ゲストハウス「翠鳩（あおばと）の巣」を玉造温泉街にオープン。「時代の先を見据え、変化を恐れずに多角化、多様化を進めてきたことで難局を切り抜けてきました」と皆美社長は息を吐きます。

耐えていただけではない。アフターコロナを見据え、“おもてなし”の強化には一層力を入れました。佳翠苑皆美では、今まで以上に客に寄り添ったサービスを展開。その一つが、チェックアウト時に添えるスタッフ直筆のメッセージカード。当初は定型文になりがちだったが、次第に客との会話を反映した言葉に変わり、サービスの質もより向上しました。

スタッフ同士でもスキルを高め合っています。約10年前から、「ありがとうカード」というツールを用いて、他のスタッフへの感謝の思いを文字化。書いた人と書かれた人の名前の数を集計し、毎月の常会で表彰しています。そのカード数は一か月で1200枚にも及ぶのだとか。「感謝の気持ちを“見える化”することで社員のモチベーションが上がり、お客様へのおもてなしへと循環します。従業員満足と顧客満足の両立を重ねていることが、高評価をいただいている要因だと思います」と皆美社長。旅行業者などが実施する評価ランキングやネットの口コミなどは、コロナ禍前より高くなっているといいます。

“おもてなし”は形に見えず、数値化できない上、人によっても評価が変わるもの。マニュアル化できないからこそ、スタッフ一人一人の日々の研さんや創意工夫が求められます。「伝統を継承しているという誇りを糧に成長し続ける必要があるのです」。

「２時間近くかかっていた着付けも、今では15分程度に。立って歩いたり座ったりを繰り返すので着崩れしないよう気を遣いつつも、慣れたためか長時間和服姿で動いても疲れないようになりました。観光情報や料理内容、お酒の種類など覚えることは多いですが、お客様に喜ばれるのが何よりのモチベーションになっています。元々人見知りで接客サービスなんて向いていないと思っていました。人が好きな自分自身を再発見しました（笑）」

「非日常を求めるお客様にサービスを提供するという仕事にあこがれ、中学校から好きだった英語を生かせればという思いで、観光業界に足を踏み入れました。チェックインからチェックアウトまで、お客様に寄り添える時間は長いようで短いです。私一人の思い込みでサービスを提供するのでなく、さまざまな情報をすべての部署につなげていくことで、ミスを防ぎ、お客様の居心地の良さを創り出していけると実感しています」

「北海道から九州まで全国各地に皆美の味を届けています。注文を受け、在庫がなくならないよう先を読んで製造を依頼したり、冷凍庫の空き容量を確認したりしています。大阪で開催された商談会に出向き、大手百貨店やスーパー相手にPRしたことも。エンドユーザーを意識した新たな商品提案を受け、刺激になりました。食に対する価値観が多様化している時代。お客様の声に耳を傾け、喜んでもらえる味を今後も届けていきたいです」

「客室係が気持ちよくサービスを行えるようフォローすることで、お客様に喜んでもらうのがスーツをまとったホールスタッフの仕事です。忙しい時でも確認を怠らず、ミスなく料理やお酒を運び、お客様に快適な食事を楽しんでもらえるよう努めています。先輩方は、お客様との会話内容をメモするなどしてサービスに生かしています。会話術を磨き、客室係と情報を共有して、より良いおもてなしにつなげていきたいです」

「個人や団体、旅行業者からの宿泊やホール利用などの予約業務を担当。100室以上ある客室の部屋割りや、宴会やホールの予約の際の見積りも担っていて、ミスがないよう確認を徹底しています。宿泊中のプロポーズを企画したお客様の相談を受け、花やケーキの手配、渡すタイミングなどを一緒に考えたことも。ホテルに求められるニーズはお客様一人一人違います。ご希望を丁寧に聞き、素敵な滞在にしてもらいたいです」

「前菜を担当しています。お客様が最初に口にされる料理なのでプレッシャーは感じますが、「おいしかった」という感想のお声を聞くとうれしいですね。味だけでなく、素材の美しい色が一層映えるよう見た目を美しく仕上げるのも大事。自宅でも試作を繰り返すなどして、腕を磨いています。料理長始め、周囲にはお手本にしたい先輩方がたくさんいて恵まれた環境です。高い技術やセンスを学びつつ、和食の世界を深く広く広げていきたいです」

皆美グループでは堅調な業績を背景に、新たな挑戦も始めています。

22年から、ふじな亭が担っていたレストラン、仕出し、商品販売の３部門を「MINAMI TASTE LAB．（ミナミ テイスト ラボ）」とまとめ、皆美の味とおもてなしを全国発信する事業を強化。商品販売ではギフトがメインだったが、首都圏の百貨店バイヤーなどの協力を得て、お取り寄せ惣菜の新ブランドも開発、積極的な売り込みで全国展開を目指しています。

老舗の皆美館も、創業当初からの趣を大切にしつつ、多くの部屋にベッドを導入するなど随所でアップデートを図って居心地の良さを追求。世代を引き継いだ常連客も少なくなく、不変性と利便性の両立に力を注ぎます。樹齢300年の出雲松を中心とした出雲流庭園は、アメリカの日本庭園専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」で毎年上位に入り、22年も全国４位となりました。

玉造温泉街にある佳翠苑皆美では昨秋、ホテルの魅力を上乗せする改装を実施。美肌と健康効果を求めて訪れる観光客らの満足度をより高めようと、岩盤浴やよもぎ蒸し、健康茶などを楽しめるデトックス空間「温美活サロン」などを新設。出西生姜やクロモジ、ヒスイなど地域資源がふんだんに生かされています。

感動を生むおもてなしには、ゴールがありません。受け継がれた伝統を誇りに、挑戦し続けるからこそ、新たな感動が創り出されていくのです。

若手のメンバーも多く、楽しく勤務しています。スタッフ一人ひとりが常にお客様目線のサービスを意識し、多くの方に満足していただき、地元山陰の素晴らしさを伝えていけるよう頑張っています。「山陰が好きな人」「人と接することが好きな人」はぜひ一度当館を見に来て下さい。

皆美グループ

ミナミグループ
電 話：0852-62-0577（採用直通）
住 所：島根県松江市玉湯町玉造1218-8 [MAP]
情 報：HP

sponsored by 皆美グループ