子どもから友達関係で相談された時の回答は?考えておきたい友達との付き合い方

レインディア藤原さん
レインディア藤原さん

友達が離れていく、どうしても仲良くなれない。そんな時のベターなアンサー

藤原さんの育児学Vol.83

みなさんこんにちは。

今秋は、以前育児や不登校などで相談を受けた子達が会いに来てくれる事が度々あって、うれしい再会が続きました。

中には、勤めた会社が倒産して時間ができたとか、携帯電話が壊れて連絡先が分からなくなったので直接来たとか。素直に喜べない理由もありましたが、元気な姿を見せてくれると、私も幸せな気持ちになります。

私の相談手法は、短期集中型なので、基本的に継続的にこちらから連絡することはありません。困ったこと、相談があったらおいでって感じなので、時々こういったサプライズの訪問があるのです。

関係性があった時期があまりに昔過ぎて、顔を思い出せない事もありますが(若者はどんどん顔つきが変わりますし)、それこそ私を覚えていてくれた事には感謝ですし、感動ですよね。

今回のコラムは、そんな再会した中の一人の子へのアドバイスを元に書き進めたいと思います。

その子は、現在小学6年生の男の子。彼がまだ小学校4年生の頃、不登校になった時期に出会いました。

不登校といっても、成り立てというか、この数ヶ月行けなくなった段階でしたので、精神的な疲労回復の対応をして、進級とともに学校に復活。

それから1年半。6年生になって再会できたので、「最近どう?友達できた?」と質問してみました。

すると、少し顔を強張らせながら「友達が一人ひとり離れていく・・・」と、少し寂しそうな、罪悪感を感じているような表情で返答をくれます。

子どもから友達関係で相談を受けた際のアドバイスとは?

さてみなさん、こんな時どうアドバイスしますか?

このまま放っておくと、孤立してまた不登校になるかもしれませんし、友達の方が離れていくなら本人に何か原因があるのかも。学校では友達は大切に!と習うでしょうし、本人の表情からも迷っている事が伺えます。

親や大人が介入する手もありますが、近所の子ではないので、こちら側は彼の交友関係に直接手を加えることができません。“友達なんか要らない”、そんなアドバイスもあるでしょう。

私のこの時の返答は、

「それは良かった!合わない人間と友達関係を続ける必要はないよ。こちらから友達関係を切るのは大変な労力だから、向こうから離れていくなら大歓迎。大切なのは新しい友達を作る力。私を見てごらん、私の周りにはたくさんの友達がいるけれど、多くが大人になってからできた友達。もうすぐ中学校に入るのだから、今までの友達全部切って、中学校で新たな友達を作ればいい。高校に入る時にも中学校の友達を全部切って、高校で新たな友達を作ればいい。過去の人間関係に囚われていると、新たな成長や刺激がなくなって自分自身が成長しなくなるものだよ。」

と。彼は「ひとりだけはずっと繋がってる友達がいます!」と笑顔で返してくれました。

きっと、私に友達を大切にするように言われるのだろうと覚悟していたところへ、友達に縛られるな!と言われ、心が楽になったのだと思います。

今までにたくさんのいろいろな事例を見てきて言えるのは、イジメなどがエスカレートするのは、友人関係の縛りがある事。友達関係を切られたくない弱みに付け込まれ、「逃げられない人間関係」が作られてしまう。

成長しないどころか衰退していく田舎社会、井の中の蛙も同じ事かもしれません。それらが、ネットワークビジネスなどの社会問題にまで発展してしまう。

リスク回避や経費削減で一貫校が増えてきていますが、コミュニティの規模を囲んでしまう事に、将来、課題が出てくる気配しかありません。”かわいい子には旅をさせろ”と言われますが、新たな出会いこそ人間の成長に一番大切な事だと私は思います。

友達との関係性を保つためには、多様な価値観にふれることから

では、友達との関係性を良好に保つためには、子どもにどう教えればいいのでしょう?

我が家では子ども達に、多様な年代の人々と出会う時間を作っています。

ホームパーティーを開き、私の友人や仕事で出会った人とふれあったり、仕事の手伝いをさせてみたり、一昔前の漫画や音楽とふれ合ってみたり。

同世代の子は、学校に行けば会えます。なので、同年代の子どもがたくさんいる塾や習い事ではなく、違う世代がいる場へ行く機会を増やしています。

多様なコミュニティーと繋がることが、身近な友人達と余裕を持って付き合う土台だと思います。

近年、ネットの中にだけコミュニティーを形成している人々が増えてきました。子ども達の中でも、ネットトラブルが増加傾向。

ネットは世界と繋がっているので、何かあると世界から孤立するのではないかとの恐怖がありますが、現実はそんな事はありません。

特にネット社会は、自分の事を知って欲しい人ばかりで、他人には興味関心が低いコミュニティー。イヤだなと、なんか合わないなという人間関係は、無理に我慢しないことを伝えていく必要があるでしょう。

私は若い時、中々自分の価値観に合う人と出会えずに苦労しました。

しかし、今は世界中に友人がいますし、「こんなにも価値観や考え方が合う人が居るのか!」と驚くぐらい、居心地のいい仲間がいます。

赤い糸ではありませんが、世界にはたくさんの人がいて、貴方と出会えた事で幸せを感じる人がたくさんいます。

その出会いのチャンスを得るためには、新たな出会いを求める一歩を自ら出す事が必要。

真の友達、真の仲間はやっぱり良いものですからね。

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この記事を書いた人
レインディア藤原さん

Reindeer 代表取締役社長

レインディア藤原さん

北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。

最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。

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