おばあちゃんとママ、イイ関係を作るために大切なコト

レインディア藤原さん
レインディア藤原さん

おばあちゃんの育児参加・お手伝いで気を付けて欲しいコト

藤原さんの育児学Vol.82

みなさん、こんにちは。

例年、11月は暇な時期なのですが、今年は新たに立ち上げた民家の子育て支援センター的役割の非営利活動である、一般社団法人コーセリプロジェクトのプレオープンイベントや、とりだい病院のコンサートイベントなどの運営で大忙しでした。

コーセリプロジェクトの方は、11月24日にプレオープンイベントを開催。地元ケーブルテレビ局などの取材を受けたので、ご存じの方もおられるかもしれませんね。

正式オープンは来春を予定しておりますので、それまではイベントやセミナーでのご利用となります。詳しくはインスタグラムをご覧ください。

11月は、ほとんど私が店にいないので、スタッフには大感謝ですが、その間にも育児相談は寄せられ、合間を調整しての対応となりました。

偶然なのか、社会的背景があるのかは定かではありませんが、最近増えている相談に「祖母との関係性」の話題があります。

今回のコラムは、そんな現代の育児環境について書いていこうと思います。

おばあちゃんは必ずしも育児に詳しいワケではない

みなさんは、急な予定が入った時に子どもを実家に預けられますか?

「子どもを実家に預けたくない」。最近、そういった声をママさん達から聞きます。

昔は、嫁姑問題などで義理の母との確執が社会問題となっていた時代がありました。今は“実の親”との関係がママのストレスになってきているようです。

年をとったからと言って、育児の達人になれるワケではない事は当たり前。とはいえ、それでも世間では、今でも【おばあちゃん=育児の知識や経験がある】と思われがち。

しかし、実際はそんなのは昔の話。今のおばあちゃん達は若い頃、働いていた世代。バブルを経験し、“24時間働けますか?”の時代を生きてきた人達が今おばあちゃんになっています。

当時の子ども達は“カギっ子”などと呼ばれ、首から家のカギをぶら下げ、学校から誰も居ない家に帰宅。晩ご飯は家族バラバラに食べて育った時代です。そもそも、日本ではおじいちゃんの育児能力が低い事は昔から変わりません。

それがとうとう、おばあちゃんまで育児能力が低い・・・。それが今の日本の現状、それが少子化のひとつの要因とも考えられるでしょう。

具体的にどんな相談があるかと言うと、

  • 実家に子どもを預けるとお菓子やチョコレートばかり与える。
  • おもちゃを次々買い与える。
  • 女の子を水遊びやお風呂にいれたがる。
  • テレビやYouTubeを見せているだけ

などなど。私も経験のある事案がいろいろと。

ほかにも、ママがいろいろ調べて勉強した、最新の育児の情報を否定されたり、しつけがなっていないとイヤミを言われたり。私たちが思っている以上に、困ったおばあちゃんがたくさんいるのです。

育児で一番大切な事はまず、ママを第一に考えることだと私は思います。

子どもではありません。ママの笑顔、ママの自信、ママの心の余裕、それが育児には大切な要素です。

もちろん、中には問題のあるママもいるでしょうが、私が出会ってきたママ達は、みんな一生懸命。子どもにとって一番重要なのはママの存在なワケで、おばあちゃんではありません。

おばあちゃんへ。ママ(娘)の一歩引いたお手伝いをぜひお願いします!

私は育児相談を受け、実際におばあちゃんと対面し、説得したり説明したりして、娘の育児への介入を減らしてもらうようにお願いすることもあります。

ほとんどの方は理由を説明し、これからの発達への関わり方をアドバイスすると、それを受け入れてもらえます。その中で時々、やっかいなのは、元保育士とか元教員など、教育を仕事としていてプライドの高い方。

自分の子どもを苦しめていることに気付かない人は本当に困った物です。

イジメや子どもの自殺、不登校、性犯罪、現場にいた当事者であるはずの教育関係者は、もっと責任感を持って欲しいと、願わずにはいられません。

また、もうひとつやっかいなパターンも。

それは、若い時に仕事を頑張って育児ができなかったために、その罪滅ぼし的に育児に取り組もうとする人。正義感や自分の人生を取り戻したい気持ちは分かりますが、娘(ママ)の育児を奪い取るような事は止めていただきたい。

あくまで娘の育児のサポート、手助け、一歩引くことを意識していただきたいと思うのです。

日本は今、急速に少子化が進み、様々な面で将来への不安や問題が露呈してきています。

北欧では、子どもの権利が尊重され、社会が子どもの声に耳を傾けます。

若者や自分の子どもの声を、ワガママや未熟者の意見と捉えるのではなく、ぜひ受け止めて欲しい。

3歩進んで2歩下がるのではなく、最初に引く、最初に子どもの声を受け入れてから親の経験を生かす事ができれば、子ども達の世代が育児の経験を積むことができるでしょう。

年の瀬になりました。

2023年は、ママ達の涙を見ない年になって欲しいと願います!

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この記事を書いた人
レインディア藤原さん

Reindeer 代表取締役社長

レインディア藤原さん

北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。

最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。

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