久々の再会から考える、子どもの「遊びの意味」とは?改めて感じる環境整備の大切さ
【藤原さんの育児学Vol.72】おもちゃとは「子どもの欲求を果たす最適ツール」なのかも
みなさん、こんにちは。今年は梅雨明けが早く、早くも夏本番。毎日、暑さとの戦いですがいかがお過ごしですか?
先日、スーパーで買い物をしていた時に声を掛けられ、振り返ると以前おもちゃレンタルをご利用いただいていたお客さまでした。
その方のお子さんの事、私はとてもよく覚えています。
現在、中学1年生の女の子。その子へおもちゃレンタルサービス「もくレン」をご利用いただいていたのは、もう10年ほど昔になります。
当時は2才頃で、私も同世代の息子を育てていたので、いろいろな面で比べていた事を思い出します。
しかし、よく覚えていた理由はほかにあります。それは、全くままごと遊びに興味を示さず、パズルや脳トレゲームなど、頭を使う系のおもちゃにばかり熱中するお子さんであった点。
弊社の「もくレン」はレンタルですが、子どもの成長バランスを考えて、親の選ばないようなおもちゃを複数セットにしていきます。
このご両親からも当初、「うちの子は、ままごと系には興味がないみたい。」と伺っていました。ですが、今日まで興味がなくても明日、突然興味を持ち始めるといった成長のボーダーラインもあるため、毎回1点は何らかのままごと系おもちゃを入れていました。
ニンジンやパンを切るようなオーソドックスなままごとセットから、レジスターや鍋などの調理具などなど。しかし、毎回返ってくるおもちゃをチェックしても遊ばれている形跡がありません。
経験上、男の子でも女の子でも、ままごと遊びは集中して遊ぶものと捉えていました。なので、ご両親を疑うワケではありませんが、ご両親にお願いして店頭にお子さん連れで来てもらい、私の目の前で遊ぶ姿を見学させてもらった事があります。
当時はまだ、ギフテッドなどという言葉も知られてなく、もしかしたら何かの発達障がいの可能性もあるかなと見ていたのですが・・・。
実際は、本当に脳トレ系を喜んで遊ぶ小さな女の子の姿がそこにあり、ままごと遊びをするように、ママやパパとコミュニケーションを取りながら難問を次々と解いていかれていました。
私もおもちゃのプロとして、何とかままごと遊びに気を引こうとしてみたのですが、このお子さんは合わない感じでした。
その後は、彼女に喜んでもらえるようにと様々なパズルや迷路、立体構造パズルやルールに沿って遊ぶような脳トレおもちゃを貸し出し。大変喜んでいただきました。
脳トレのおもちゃと言っても、大人でも難しいようなハイレベルなモノですよ?
4才を過ぎ、「もくレン」卒業となった時には、「私が初めて出会った天才少女かもしれない、将来を楽しみにしています。」と伝えていました。そのお父さんに、スーパーで声を掛けられたので、「今、娘さんどうされています?」と聞かずにはいられませんでした。
数学の方面か何かで才能を発揮しているのか!?と思いきや、何とバレーボールにハマって、中学1年で強豪校のある県外へ行っているとのこと。寮に入ってトップ選手になるために日々頑張っているとの事でした。
自分の好きなことを追求している姿、小さな時から変わっていないのかもしれませんが、それを見守って応援しておられるご両親もまた素晴らしいです。
この件で改めて感じるのは、子どもがやりたい事を受け入れて挑戦させてあげる環境整備の大切さ。
おもちゃは、まさに子どもの欲求を果たすための最適なツールなのですね。
夏休みが近づいてきましたが、子ども達に「おもちゃでばかり遊んでないで、勉強しなさい!」と言いたくなる事もあるでしょう。
でも、その遊びに向かう集中力や創造力が将来の活躍の源かもしれません。
他の子と比べて違っていたとしても、それでその子が楽しんでいるのなら、その道を歩ませてあげたいですね。
弊社独自開発の木のおもちゃレンタルプログラム「もくレン」は、現在14年目、初期のお客様のお子さんは高校生になっています。
「もくレン」で育ったお子さんが大人になって、育児をする時、子どもへ「もくレン」をご利用いただける日が来たら凄く幸せだろうな〜と、今から楽しみです。
「もくレン」ご利用のお子さん達!夏休みに時間があったらぜひお店に訪ねて来てくださいね!
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この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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