みなさんは、杉浦非水（すぎうらひすい・1876～1965）という人物をご存じですか？

日本の商業デザインの近代化に大きく貢献した人物で、明治時代末期から昭和中期に活躍した図案家。今でいうところのグラフィックデザイナーとして活躍し、当時のデザインをリードした人物です。

愛媛県生まれで、東京美術学校で日本画を学んだ非水。その後、1904年に島根県第二中学校、現在の県立浜田高校で図画の教員として約１年半、教鞭を振るったんだそう。

そんな、石見地方にゆかりのある非水の手掛けた作品を一堂に紹介する企画展が、浜田市のお隣り・益田市の『グラントワ』でまもなく始まります。

今回は、企画展開催に先立ち、ひと足お先に、展覧会の見どころなどをチェックしていきましょう！

企画展「杉浦非水 時代をひらくデザイン」と銘打った回顧展。会期は2021年７月３日（土）～８月30日（月）までで、島根県益田市のグラントワ内にある県立石見美術館で開催されます。

東京美術学校で日本画を学ぶ中、フランス帰りの洋画家・黒田清輝がもたらした「アールヌーヴォー様式」のポスターなどに魅せられた非水。

「図案家」、今風に言うと「グラフィックデザイナー」としての活動を開始しました。

1908年に三越百貨店の前身である三越呉服店に入社。「図案部初代主任」として、退社するまでの27年間、三越のポスターやPR誌のデザインを一手に担いました。

企画展では、三越時代に手掛けた商業デザインの数々を堪能できますよ。

非水は、三越の仕事のほかにも、様々なポスターや雑誌の表紙、本の装丁を手掛け、当時のデザインをリード。

企画展では、非水が手掛けた広告や雑誌、書籍のデザインの数々も紹介。その中から、いくつかを先行してピックアップ！

まずは、地下鉄のポスター。

華やかでモダンなデザイン、今見ても、粋で洒落ててポップですよね～。

現代の子どもたちにも大人気のカルピス！

大正時代にはもうあったなんて、めちゃめちゃロングセラーなんですね～。ゾウさんのおどけた表情がなんともチャーミング！そして瓶のカルピス、なんだかおいしそう～。

商品がメインに描かれていなくても印象に残るポスターです。

和の調味料である醤油がポップに描かれています。個人的にはこの色合い好きだな～。

1904年から翌年にかけて、島根県第二中学校、現在の県立浜田高校で図画の教員として過ごした期間にスケッチブックに描かれた作品も紹介。

スケッチブックには、当時の石見地方の海や山といった風景から、人々の暮らしぶりが描かれていて、非水の身の回りや当時の石見のことが小さな画面からも分かります。

約120年前の石見にタイムスリップした気分になれそうですよ～。

杉浦非水の初期から晩年に至る図案の仕事とあわせ、交友の画家の作品や、若き日に島根県で教員として過ごした時期の作品など約300点を一堂に公開する『杉浦非水展』、島根県益田市の島根県立石見美術館で７月３日（土）から始まります！

記念講演や学芸員によるギャラリートークなど関連イベントも充実。
また、特設サイトから、企画展のWEB割引券もダウンロードできますので要チェックです。

グラフィックデザインのパイオニア、杉浦非水。島根で過ごした若き日の作品から、明治・大正・昭和を彩ったポスター、ブックデザインまで幅広く紹介する回顧展『杉浦非水 時代をひらくデザイン』では、非水の魅力をたっぷりと堪能できそうですね。

この機会に、モダンデザインの先駆者によるレトロポップなデザインの世界に触れてみてはいかがですか？

イベントの詳細はコチラ↓↓
企画展「杉浦非水　時代をひらくデザイン」｜島根県芸術文化センター グラントワ