公園で遊べば子どもの能力も育つ!心も未来も育む公園が持つ可能性【藤原さんの育児学Vol.42】

レインディア藤原さん
レインディア藤原さん

子どもの必要な能力を育む「公園遊び」

春になって転勤や引っ越しのお便りをいただくようになりました。

また、暖かくなってきて、いつもの公園よりも少し遠くの公園までお散歩したり、大きな遊具のある公園まで車で出かけたりしたい季節ですね。

ということで今回は、「街の公園」についてお話したいと思います。

遊びやコミュニケーションなど「社会の入口」だった公園

みなさんの家の近くに公園はありますか?

公園と言っても、児童公園もあれば自然公園など、様々な公園がありますが、ここでは滑り台やブランコのある児童公園のお話です。

私は、今の住まいの場所を決めるにあたって、重要な要素が「公園が近くにあるかどうか」でした。

それは、私の尊敬するアメリカ人で、ニューハンプシャーに住むルーリー夫妻から学んだ事から。

友人の両親なのですが、結婚して住む街を探す時に、子育てにやさしい街で公園が近くにある場所を探したと言うのです。
大人になると公園に行くことはなくなっていましたが、思い起こせば小さい時は公園が社会の入口だったような気がします。

公園で友達と待ち合わせをし、水遊びや昆虫探し、かくれんぼや缶蹴りなどたくさんの遊びや、ここには書けないようなイタズラの思い出があります(笑)。

小さな頃は歩いて行ける公園、自転車で移動できるようになると少し遠くの公園まで行き、違うエリアの子が縄張りとしている公園まで攻めいっていた思い出も。

夏休みにはラジオ体操、集団登校も公園が集合場所でしたし、連絡していなくても公園で子どもたちが集って1日遊んでいた昭和世代です。

ですが、現代は街が様変わりし、遊具は安全性が確証できないと予算も与えられず、あちこちの公園で遊具の撤去や使用禁止が多発しています。

保育園やこども園、学童保育など、箱物の中に子ども達を囲い、公園などで自主的に遊ぶ場をどんどん奪っている今日。

もちろん、怪我や場合によっては命の危険も伴うため、公園遊具を放置する事はダメですが、しかし、子ども達の自由を奪っているのも事実です。

子どもに必要な能力を養うことができる場所=公園?

2年ほど前、子どもの運動神経は“外で遊んだ時間と比例する”という論文が発表され、メディアでも取り上げられました。
もしかすると、みなさんの中にも知っておられる方がいらっしゃるのではないでょうか。

しゃがめない、スキップできない、自転車に乗れない、熱中症で倒れやすい、ボールを投げたり受けたりできない。
年代の違う人と話せない、友達がいない、友達の作り方が分からない、子どもとどう過ごして良いか分からない……。
太陽を浴びる時間が少ない事で起こる、近視や骨の発達異常、アレルギーも。

現代の子どもに関する問題は、誰に教わるでもなく、公園で遊びながら、自然に身についていた能力だったのかもしれません。

公園を見ればその街の特徴が分かる?

人口の多い都会では、今でも赤ちゃんが生まれたら、公園デビューのハードルがあると聞きます。
しかし山陰では、どこの公園も親子の姿は都会に比べれば多くなく、ママ友をわざわざ作る必要性も少ないように思います。

ジャーナリストの池上彰さんは、海外に行くとその街の図書館を見て街の現状や未来が見えると言っておられました。

私は、世界の様々な国の公園を見て、その街や未来が分かります。
弊社は、公園遊具を中国から輸入する仕事もしているので、メーカーから世界中の公園のデータをいただきます。

シンガポールではプールの中に公園を造っていたり、ロシアや砂漠の国の公園はひと目でどこの国か分かるデザインの遊具、スウェーデンではその街の歴史(例えばバイキングなど)を学べる工夫のある公園があります。

海外のアニメファンからは、日本のタコ型滑り台が人気と聞いたことがあります。

日本は、長らく子どもを大切にしてきた国でしたが、今は街作りに子ども目線が決定的に欠けています。
どこかの夢の国ほどの規模を言うのではなく、4才の娘は近所の滑り台とブランコ、うんてい、鉄棒しかない公園が大好きで、毎日連れて行かされます。

そして「何がそんなにうれしいの!?」と思うほど大笑いして喜んでいます。

ゴミが落ちていると、すぐに見つけて捨てようとするので、私はついつい「汚いからさわらないで!」と言ってしまいますが、公園をキレイに使いたいという意識は、親に教わるまでもなく、本能的な意識のようです。

公園の管理は、行政のほか、地域住民の方々の力が必要不可欠です。

自治会などがしっかりしていると公園の管理も優れていて、その街に住む人々の力が優れている事を感じます。

公園は、使われる事でキレイな状態を保てるとも言えます。

さあ、みなさん、親子で公園に出かけましょう!

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この記事を書いた人
レインディア藤原さん

Reindeer 代表取締役社長

レインディア藤原さん

北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。

最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。

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