[年齢別]マネから始まる幼児期の「ままごと遊び」の発達科学【藤原さんの育児学Vol.40】
【育児コラム第40回】年齢別にままごと遊びの傾向を紹介します
みなさんこんにちは。
この育児コラムも40話目。私は4という数字が昔からラッキーナンバーでしたので、個人的にうれしいですし、みなさんに読んでいただけている事がとっても幸せです。
いつも、ありがとうございます。そしてこれからもよろしくお願いいたします。
さて、今回のコラムは、子ども達の遊びの定番「ままごと」についてお話したいと思います。
漢字で書くと「飯事」となるようにご飯ごっこの遊びです。
男女問わず、だいたい1才半過ぎからままごと遊びは始まってきます。
それよりも早いお子様もおられますし、女の子でもまったく興味がないお子様もおられますが、それでも人気の遊びのひとつですよね。
ちなみに……、当店にもキッズコーナーがあり、キッチンや鍋、果物や野菜など、木製の包丁やフライ返しなどを用意していて大人気です。
私に時間的な余裕があれば、来られた親子さんには子どもの遊び方解説をお話しています。
ままごと遊びは、道具の使い方や見立て遊びから、コミュニケーションや数の概念、時間の概念、記憶力の判断、創造性想像力など、遊びを通して子どもの様々な発達を知る事ができます。
みなさんのお子様が今、どんな遊び方をしているか、今回のコラムを参考に、観察してみていただければと思います。
ままごとの始まりから1才10ヶ月頃までの様子
ままごと遊びの始まりは、食べ物(口に入れて飲み込む物)と、非食べ物(食べ物に似せてある物)との区別から始まります。
赤ちゃんは、1才前後は身の回りの物を手当たり次第口に入れますが、その後、1才半頃には口に入れる物とそうではない物を区別し始めます。
同時期に、ママや家族のマネが始まるので、親の行動をしっかり見て学んでいるのかもしれません。
このマネがままごと遊びに繋がり、料理をするママ・パパを見て、お玉やスプーンなどキッチン用品に興味津々、おもちゃよりも本物を喜ぶのは、ママ・パパと同じ物を触りたいからなんですね。
1才半頃は、「自分の手」を認識し始める頃とも言われ、左手と右手で違う動きを担う事が始まります。
例えば、ボールを投げさせると、ボールを持っていない側の手も動いてしまっていたのが、この頃から左右が連動しなくなってきます。
キッズコーナーで、左手で食材のおもちゃを支えて、右手で包丁を使って分離する行動を取っていたら、このレベルまで成長していることが分かります。
1才10ヶ月頃になれば、道具の先端を自分の手の延長として捉える練習期に入ります。
上手に人参のおもちゃを切り分けようと、木製包丁の向きを変えたり先端から挿してみたりと、道具の先に集中して手や腕をコントロールしていたら、この段階です。
【2~3才頃のままごと】複数人を相手にし始め、ストーリー性が出てくる時期
2才頃には、コミニュケーション力が育ってきて、ママに人参、パパにお芋、私はリンゴなどと配る人数が複数になっていきます。
それが、2才半頃には、人参とお芋とリンゴのセットを、ママとパパと私とお人形さん、ぬいぐるみのクマさんにもという風に同じセットを分割する遊びに移っていきます。
分割の概念は数の概念の誕生とも捉えられ、男の子はレールセットの車両を複数使う様になりますし、階段の段数を数えたり10秒数えるまで待つなどの感覚が出てきます。
その後、3才が近くなってくると、お店屋さんごっこで食材を並べ、購入、メニューを質問し、調理、お皿に盛り付けて振る舞うといった段取りの理解が深まります。
段取りの理解には、記憶したことの再現が必要なので、記憶力もしっかりしてきている事が分かり、その記憶をアレンジして自分のストーリーを作る創造性も出てきたことが分かりますね、
この頃には、絵本のストーリーを理解できる段階に入るので、絵本で料理を作るお話を見て、実際に料理に挑戦したいというお子様もおられるでしょう。
遊びに大切なのは「させっぱなし」にさせずに、自分たちも関心を持つこと
都会では包丁が家に無いという家庭もあると聞きますが、食は人間にとって生きていくために大切な能力。
子どもの頃にままごと遊びが大好きなのは、もしかすると人間の本能的な学習の行動なのかもしれません。
テレビに子ども向け料理番組があったり、ネットの動画サイトでも子ども達が料理に挑戦する作品が多数アップされたりと、ままごとはやはり人気です。
食材がもったいなかったり、キッチンが汚れたりと不安はあると思いますが、子ども達の「やりたい!」という気持ちを叶えてあげたいですね。
今回はスペースの都合上、おおまかな段階で紹介しましたが、もっと詳細に遊び方を知りたいという方は気軽にご来店・ご相談いただければと思います。
なお、成長が早い方がいいとか遅いと心配といった事ではありません。
子どもが喜ぶからといって、難しい事をさせたり、できるまで練習させたりするような事は控えましょう。
私が遊びの解説をする目的は、おもちゃを子どもに与えっぱなしで遊び方を見ていないという事がないように、子どもの遊びにパパや家族が参加しやすいようにとの思いからです。
子どもの遊びは、成長するために必要な行動、親の都合で邪魔しないようにして欲しいと思います。
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この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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