【藤原さんの育児学 vol.1】木のおもちゃ編
木のおもちゃって何がいいの?
はじめまして、(有)Reindeer代表の藤原といいます。
この度、日刊Lazudaのライターとしてコラムを書かせて頂く事になりました。皆さま、これからどうぞよろしくお願いいたします。
初回は「木のおもちゃって何がいいの?」についてお話していこうと思います。
私は、事業として“木のおもちゃのレンタル”を運営し、そこで得た経験や知識、エビデンスを元に幼稚園や育児支援センターなどでの講演、大学への情報提供、メーカーへの製品開発協力などを行っています。
そして、どの場面でもよく聞かれる質問が今回のタイトルです。
皇室や王室のお子様誕生ニュースが流れると、毎回木のおもちゃも注目されますね。「いい物にふれさせたい」「赤ちゃんに自然の物を与えたい」など、理由は様々ながら昔から人気があるアイテムのひとつ。
では、いったい「木のおもちゃ」にはどんな特徴があるのでしょう。
木は呼吸をするので、赤ちゃんが舐めて濡れても自然に乾燥し、菌の繁殖を抑えてくれるという衛生的な一面があります。
また、噛んで木くずが体内に入っても消化しやすいですし、製造段階でも危険な薬品などを使う必要がないという安全面も選ばれる理由のひとつでしょう。木の重量感や、さわった質感、色味の癒やし効果といった内容も人気の理由です。
そして、私が一番の魅力と考えるのが「構造が分かりやすい」という点です。
赤ちゃんにとって、最初の学びとなる「遊び」、音が鳴ったり転がったりといった生活の基本が詰まっています。赤ちゃんの遊び方を見れば、発達段階も分かります。
例えば、積み木で見てみましょう。
何個重ねられるか、サイズはどの位か、何かに見立てているか、継続して遊んでいる時間は、作品の左右対称性は?など、単純な行動から分かる事も多いのです。
平均的に、1才頃には、手の平いっぱいに掴める大きめサイズの積み木で遊びます。この頃は、1個の積み木にもう1個を重ねるだけで達成感があります。
●1才半以降
指先で掴める少し小型なサイズが良くなり、自分の身長くらいまで高く重ねられるようになります。
●2才頃
△の積み木をおにぎりに見立てるなど、おままごとごっこの食材として遊ぶ事も始まります。
●2才半頃
創造力が芽生え、何かの作品を作ったり、形ごとにグループ分けしたりができるようになります。
●3才頃
複雑な形状の積み木を組み合わせて、パズルのような事にもチャレンジできるようになります。
●4才頃
50個くらいの積み木を使って左右対称な作品を構成できるようになり、文字を理解する目安になります。
このように、積み木も奥深い世界があるのですね。単純な構造は、清掃や修理も簡単です。
でも……、「親が良いと思って与えても、子どもが遊んでくれない。」そんな声も聞きます。どうしてもキャラクター商品にいってしまうと。
親としては、子どもに喜んで欲しいから、一番喜びそうなおもちゃを与えますよね。では、食べ物ではどうでしょう?
喜ぶからといって、ジュースやお菓子ばかり与えませんよね。
木のおもちゃは、お野菜やお魚のようにバランスを考えた時に「うながしたい」遊びではないでしょうか。
木のおもちゃの中には、高額な商品もありますが、高い商品=いいおもちゃ、という訳ではありません。
私が考えるいいおもちゃ、それは「親子で一緒に遊べるおもちゃ」です。与えて終わり、保育園でたくさんふれているから、では成長意欲に繋がりません。
親子のコミュニケーションツールとして、木のおもちゃで一緒に遊んであげましょう。
鳥取・島根のお仕事情報
この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
【レインディア藤原さんの過去記事一覧はこちら】
コーセリプロジェクトHP