佐武林蔵コレクションとは、1966年（昭和41年）に、佐武林蔵が財団法人佐武会に寄付した28点の美術品と、1999年（平成11年）に佐武夫人から日南町美術館に寄贈された57点の美術品のこと。その中には、クレパスの開発に深く関わった洋画・版画家の山本鼎をはじめ、林武や宮本三郎、小絲源太郎、三岸節子、猪熊弦一郎、菊池一雄など、近代の美術史に名を連ねる著名な芸術家たちの作品が残されている。本会期中は、クレパスの魅力を感じさせる選りすぐりの作品の数々を紹介する。

足羽俊夫は、日南町に生まれ、パリで50年以上にわたり画家、詩人、写真家、彫刻家として多様な活動を続けた芸術家。その作品は、夢想や瞑想、官能、神秘、祈り、心の叫びといった、目には見えない複雑な内面世界が、多様な主題と技法で描かれている。フランスのル・モンド紙で「日本的なものとはまったく絶縁した絵画を作っている。彼が属しているものは、夢を描く画家という一族だ」と、その芸術性を高く評価された足羽俊夫の作品の数々を紹介する。