近年、古墳時代の出雲各地で行われた祭祀や、玉造の実態が明らかとなりつつあるほか、石見では益田市域を中心に重要な古墳の発掘調査や資料の再検討が盛んに進んでいる。

また、全国的にみても希少、かつ重要な金属製品や土器が奥出雲～邑南地域で認めることができる。隠岐の島町では、古墳時代後期から奈良時代の首長が代々埋葬された大座西２号墳の実態が解明されるなど、島根の古墳時代研究はあたらしい局面を迎えた。

本特別展では、おなじみの出雲の資料を近年の研究成果を踏まえて見直すほか、これまであまり顧みられてこなかった石見・隠岐の重要な資料をクローズアップ。この２つの視点から、島根の古墳文化をひも解いていこう。

写真：奥出雲町上方林遺跡出土金銅製品（奥出雲町教育委員会蔵・当館撮影）