「どがなかね?」が飛び交う食卓へ。大田市温泉津町「どがなか屋」の地域食堂
「どがなかね?」が聞こえる場所で、いただきます!@大田市温泉津町
みなさん、こんにちは!山陰のタウン情報誌「ラズダ」編集部いしやんです。
今回は「しまっち!」に掲載されていたプログラムをきっかけに、大田市温泉津町・湯里(ゆさと)で開かれている「地域食堂」を訪ねてきました。
子ども食堂ではなく「地域食堂」。子どもに限らず、お年寄りも、働きマンも、同じテーブルで「いただきます」をする場所でした。
開場直前の台所はちょっとピリピリ!?
私が現地に到着したのは開場1時間前。
熱気に満ちる調理場を覗くと、なんだかバタついている様子。
というのも、調理を担当する予定だったスタッフさんが直前で来られなくなったそうで、人手が足りない!
オープン5分前でもまだ仕上げ中。ひとまず「とりあえず開けよう!」とスタートすることに。
調理場で腕を振るうのは、地域のお母さんたち。ドタバタでも、しっかり料理を一つひとつ仕上げていくところは、さすが台所のプロフェッショナル!
例えるなら「寝過ごした日の出社(登校)前の雰囲気」。ドタバタの圧倒的な場慣れ感・・・!
扉が開いたら会場が一気に食卓になった
オープンすると、すぐにお客さんが続々と。会場の空気が、パッと温まっていきます。
会場に耳を傾けると、どこからか聞こえてくる、こんな会話。
「この間は野菜ありがとうね」
「元気しとった?」
こういうひと言が、そこらじゅうで。ここは食事処じゃなくて、つながりが戻ってくる場所なんだな~と、実感した瞬間でした。
どがコロ+おばんざい。今日の主役が多すぎる件
この日、メインで出ていた料理はこちら↓
- ご飯
- どがコロ(どがなか屋特製コロッケ)
- 大根サラダ
- オープンオムレツ
- ポトフ
そして、どがなか屋のらしさが出てたのが、自由に取り分けられるおばんざいコーナー。
- 里芋の煮物
- 大根の煮しめ
- 春菊の白和え
- サツマイモのガレット
- ビーツのナムル
- 聖護院大根の酢の物
おばんざいには、「どがなか屋」のスタッフさんが立ち上げた「つくしんぼ農園」の野菜も使われているそう。
特に人気だったのはサツマイモのガレット。出しても出しても減る!見ていて超気持ち良かった!
皿の上にあったのは「食材を活かしきる」という信念
味はどれも素材がちゃんと主役。派手じゃないけど、やさしくて、しみる味。
品数も多いし、手間もかかる。それでもやる。
そこに「もらった食材をムダにしないぞ」という気持ちが随所に垣間見られました。
あと、完食率が高いのも印象的。子どもも、おじいちゃん・おばあちゃんも、けっこうみんな食べきってました。
残してしまった人も「ごめんね。でもおいしかった!」と、ひと言添えていて、これも見ていて清々しかったな~!
図らずも食育の場にもなっているような。
子ども食堂じゃなく「地域食堂」になった理由
地域食堂「どがなか屋」の始まりは、「夏休み中の子どもたちの居場所をつくりたい」という思いだったそうです。
計画を立てて、会場となるコミュニティセンターへ話を持って行くと、こんな声があったと聞きました。
「孤食の課題は、子どもだけじゃない。コロナ禍以降、お年寄りも“ひとりごはん”が増えているんです」
だから、団体代表の宮里さんは、子どもに限定せず、年齢の線引きをしませんでした。そして呼び方を「地域食堂」にしたことで、「ちょっと行ってみよう」がグッと近くに。
実際この日も、家族連れも、おひとりのお年寄りも、昼休憩の働きマンもいて、年齢層がほんと幅広かったです。
入口の野菜市も立派な“会話の場”に
入口には野菜販売コーナーもあり、ここも盛況。
人の足より太そうな大根、顔よりも大きい聖護院大根が各150円。安っ!
ほかにもレモンや梅干しが並び、買い物ついでに立ち話が発生。食堂の外側にも、ちゃんと“地域の会話”が流れてました。
2022年からスタートした「どがなか屋」。ストーリーはまだまだ続くよ!
「地域食堂 どがなか屋」は2022年に立ち上がった団体。
「どがなかね?」は石見弁で「元気?」みたいな意味で「声を掛け合える関係を取り戻したい」そんな思いが込められているそう。
団体の代表は宮里陽子さん。温泉津生まれ・温泉津育ちで、地域の中で暮らしながらこの活動を立ち上げた方です。
ただ、宮里さんが何度も話していたのが、「一人でやってるわけじゃない」ということ。
広報や外との調整を宮里さんが担い、調理を回しているのは地域のお母さんたち。
物価高で大変になってきた時、宮里さんが「料理減らす?」と相談したら、「品数は絶対に減らさない!」と一蹴されたそう。かっこ良すぎる・・・!
食材は認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ経由で提供を受けるものもありつつ、野菜のほとんどは地域からの持ち込み。
「子どもに食べさせてやって欲しい」と持ち込まれる野菜が、台所を支えています。
さらに最近では、団体スタッフが発起人となり「つくしんぼ農園」も立ち上がり、子どもたちと収穫体験も。
《つくる→持ち寄る→食べる》
地域の中で、ステキな循環が始まってきたようです。
100円から関われる「ミライチケット」
会場には「ミライチケット」の寄付箱が置かれていました。
「ミライチケット」とは、100円の寄付で、子ども1人分の食事代をプレゼントできる仕組み。
食べに行く人だけじゃなく、応援する人もちょこっと参加できるのは「どがなか屋」ならではですね。
食後の清々しさ、プライスレス・・・
子どもも、お年寄りも、大人も。同じ空間で「いただきます」と「ごちそうさま」が交わるだけで、空気や場がこんなに温かくなるんだなぁ~としみじみ。
“誰のため”じゃなく、“みんなのため”。その空気をまるごと味わえた一日でした!
もし近くでやってたら、僕も子どもを連れて行きたい!
食後のあの清々しさ、あれは一回、体感して欲しい!
ということで、団体のInstagramもチェックしてみてくださいね~。
※掲載の情報は、記事公開時点の内容です。
状況の変化、情報の変更などの場合がございますので、最新の情報は店舗・施設のHPやSNSを確認するか、直接お問い合わせください。
鳥取・島根のお仕事情報
この記事を書いた人
タウン情報ラズダ編集部
編集部いしやん
島根・鳥取のタウン情報誌ラズダ編集部の現編集長。島根県松江市出身→浜田市→大阪→奈良→松江市在住。
喫茶店の冷えたおしぼりと、帽子が大好物な蛇年の年男。
日刊webラズダでは主にグルメ、ショップ、キッズ関係の記事を担当しています。あ、あとバツイチ&2児のシングルファーザーです。(←どうでもいい??)
【いしやんの過去記事一覧はこちら】
ラズダ公式X
ラズダ公式Facebook
いしやんのInstagram(フォロー歓迎!)
会社のいしやんブログ
