夜泣きが止まらない生後10ヶ月の男の子。その対策や改善ポイントをご紹介【本当にあった育児相談Q&A】
夜泣きが起こる理由とその対策、過去にあった実例もまとめて紹介
あけましておめでとうございます。レインディアの藤原です。
2025年が始まりましたね。私は巳年生まれで、1月30日には年男の48才に。そして、6月には会社設立から20年を迎えます。何となく、節目となる特別な1年が始まる予感。
とはいえ、アラフィフで更年期の真っ只中。無理せず若者達に迷惑をかけない、年の過ごし方をしたいと思っています。2025年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、今回のコラムは実際にあった相談シリーズとして「夜泣き」に関するものをご紹介。
夜泣き相談は、毎年たくさん寄せられる相談のひとつで、様々な理由や対策があります。これまでに何度か紹介していますが、情報過多な時代、最新版として参考にしていただければと思います。
〜相談内容〜
(相談者:生後10ヶ月・男の子の保護者さんから)
2ヶ月前ほどから夜泣きが終わらない。
夜泣き対策と育児アドバイス
生後10ヶ月の男の子さんとの事で、成長段階は平均的と想定してお答えしますね。
乾燥対策と快適な環境作り
今は空気が乾燥する季節。まず、確認していただきたいのは、エアコンなどの暖房、空気の対流はどうでしょう?
ヨダレが増えてくる月齢に入るので、口や鼻が乾燥し、苦しくて夜泣きに繋がっている可能性があります。
また、寒いからといって、寝間着をたくさん着せたり、布団を厚くしたりするのも夜泣きの一因に。靴下や腹巻き、ヒートテックや暖かい毛布なども、体温調節機能を妨害するので、今の月例ではオススメしません。
3才ごろまでに、体温調節に関わる汗腺の数が決まるといわれます。今の月齢では汗を上手にコントロールできないので、汗を出しても服や布団で熱がこもってしまい、体温を下げるために必要以上に汗を出して、脱水症状になる危険も。
暖房を使うなら極力ゆるめに、風が直接お子さんに当たらないようにしましょう。加湿器などで湿度調節も忘れずに。水は毎日替えましょう。
お布団よりも、軽いタオルケットくらいにして、寝返りが打ちやすいようにしましょう。
今の月齢は、昼間動いた行動を寝ている時に再現するので、寝相が悪い事が正常な証。寝ている時にもいっぱい動き回れるようにしてあげるといいでしょう。
ベビーベッドが狭いようなら、床にマットレスなど敷いてあげるのも手です。
昼間の活動と夜泣きの関係
生後10ヶ月ごろは「後追い」の時期。日中起きている時にママの姿が見えないと、大泣きされると思います。
先ほど、「昼間の動きを寝ている時に再現する」とお伝えしたように、昼間に泣く機会が多いと、寝ている時に「起きている時に泣いた事」を再現して脳が整理するために、夜泣きが出る場合があります。
これが理由の夜泣きは、起こせば止まります。なので、薄暗い中で起こさないように夜泣き対応するのではなく、明かりをつけて、一旦ちゃんと起こしてみましょう。
生後10ヶ月では、おそらく離乳食は3回食になり、少しは固形物も入ってきているでしょうか?
消化力がまだ弱いので、食べたものがお腹の中で動くとそれだけで泣きます。おならを出したり、ゲップを出したりすると、スイッチが切り替わったように泣き止んで寝るようになるかも。
おならなら、お腹を胃から腸、そして肛門へとイメージしながら、軽い力でマッサージしてみましょう。ゲップを出すのが苦手なお子さんなら、これまた明かりを付けて一旦起こし、抱っこしてゲップが出るように背中をトントンと叩いてみましょう。
お風呂の時間と夜泣き
そのほかに考えられる夜泣きの原因としては、お風呂の時間が長いために、脳が体温調節で疲弊する、脱水症状になった状態で睡眠に入っていて、命の危険を表すサインとして夜泣きが出ている、といった場合も。
冬でしっかり体を温めたいと思うところ。ですが、蛇口を捻ればお湯が出て、赤ちゃんの段階でお湯にしっかり浸かる事ができるのは、人類の歴史で考えれば最近の事。
すなわち、人間という動物は、赤ちゃんの段階でお風呂に長く入る想定で身体は作られていません。肌を守るために、石鹸なども数日置きに使う回数を減らし、沐浴程度の短時間のお風呂タイムにしましょう。
本当にあった夜泣きの相談実例
ケース1:九州地方の生後10ヶ月・女の子
お母さんから電話で夜泣きが激しいとご相談があり、まずは成長段階がどのステップなのかをヒアリング。すると、この女の子は生後6ヶ月で歩き出し、運動面の発達が異常とも感じられるほどに早いお子さんでした。
実際、大学病院で成長に関して検査を受けられていて、問題がないと先生から言われているとの事。
朝起きてから、どのような一日の過ごし方をされているのか伺うと、朝は公園へ散歩に行き、午後はプール教室へ通っておられました。お母さんの説明では、疲れたらコトンと寝る子だったのに、最近は寝相が悪く、夜泣きが激しいので、運動が足りないと感じて運動を増やしたという事。
ココに勘違いがあると感じた私は、寝相が悪くなるのは、運動が足りないからではなく、昼間の行動を再現して整理する段階に入ったからだと説明。起きている時の運動を減らすようにアドバイスしました。
すると、翌週には改善したと電話がありました。子どもが喜ぶから、成長を促したいからと、後悔したくないためにいろいろな事をお子さんに挑戦させてあげる親御さんは多いです。
しかし、成長ステップを理解していないと、夜泣きがSOSとなって現れる場合も。夜泣きの原因が、起きている時にあったという事例でした。
ケース2:山陰地方の生後11ヶ月・男の子
いつものように普段の生活状況を伺うと、お母さんの職業がお医者さんで、夜勤もありハードワークな様子。
見た目でもかなり痩せておられたので、充分な食事や睡眠を取っておられるか?月経はちゃんとあるか?家族のサポートはあるかどうか?と質問し、授乳はどのタイミングでしているのかを聞いていきます。
生後11ヶ月ごろにもなると、赤ちゃんの行動範囲は広がり、食事量が増え、目に入るものを口に持って行くので目が離せなくなります。仕事の事が気になりつつ、育児も頑張りたい。お母さんのストレスが過多になっている状況は明白でした。
このような状況の相談が来た時、私が伝えるのは、まずはお母さんの健康管理をお願いします。その理由は、お母さんのストレスが母乳を通して、赤ちゃんに伝わる事が始まる段階になっているかもしれないからです。
脳で生成されたストレスホルモンが、産後1年ごろから血液から母乳に伝わるという論文があり、その可能性を感じる事も経験上多かったからです。お母さん自身がお医者さんでしたから、理解が早く、私との会話で冷静に自己分析ができたと言っていただきました。
夜泣きの原因が、母体側にあるという事例です。
ケース3:山陰地方の生後12ヶ月・男の子
最後に、私の育児経験でのお話をご紹介します。
長男の育児の時、妻は生後6ヶ月で仕事に復帰し、生後10ヶ月で卒乳していました。生後12ヶ月ごろに夜泣きが激しくなり、ミルクをあげてもゲップを出しても夜泣きが収まりません。
鼻水をスポイトで取ったり、寝る場所を変えたり、食事や運動、お風呂を入る時間を変えたり、枕の向きを変えたり。私の知識の中でいろいろと試してみるものの効果なし。あと考えられるのはアレルギーでした。
息子は血液検査で卵アレルギーなどいくつか反応が出ていたので、ミルクタンパクアレルギーの可能性を疑いました。日本小児科医会初代会長・内藤寿七朗先生の本で読んだ事があったので、寝る前の粉ミルクを子ども向け豆乳に変えてみたところ、2日後から夜泣きがパタッと止まりました。
それから約1ヶ月ほど、寝る前を子ども向け豆乳や、お茶に変えて過ごし、元の粉ミルクに戻しました。15年も前の話です。
夜泣きの原因は様々。先日、大学病院の小児科医の先生と話をしていたところ、現代では夜泣き対策の漢方を処方できるとの事で、夜泣きに苦しんでおられるなら小児科医に相談して欲しいとの事でした。
今は月齢的に一番大変と言われる段階。1才3ヶ月ごろになれば、グッと楽になってくると思いますので、春までもう一踏ん張り育児を頑張っていただければと思います。
乳幼児期から少年期、青年期にいたるまで、育児に関するお悩みがありましたらお気軽にお寄せください。昨年末は、たくさんの方から「解決した!」と感謝の連絡をいただきました。
ほんのちょっとした判断ミスで、育児はあらぬ方向に悪化してしまうことがあります。問題は早い内に対処した方が解決も早くなるので、気になる事がありましたら遠慮せずご相談いただければと思います。
今年一年が皆様にとって良い年となるよう願っています。よろしくお願いいたします。
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この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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