美郷町の伝統アユ漁法「簗漁」を初体験!絶品のアユ塩焼き&アユ飯も【今年はあと3回】

編集部いしやん
編集部いしやん

アユの伝統漁法「簗漁」は島根県で唯一、美郷町だけ!【助っ人も募集中】

こんにちは!山陰のタウン情報誌「ラズダ」編集部いしやんです。

今回体験してきたのは、美郷町で開催されていた「簗漁(やなりょう)」の疑似体験プログラム。

島根県の関係人口マッチングサイト「しまっち!」で、イベント運営スタッフの募集を見つけ、体験がてら行ってきました!

簗(やな)漁法とは?

美郷町で継承されているアユ漁「簗(やな)」とは、日本に古くからある古式漁法。

まず川の瀬に杭を並べ、川をせき止めます。そのうち、一部を開放して簀(す)と呼ばれる、竹で編んだむしろを設置。そこへ魚が入ってくるので、網や手で魚をつかまえます。

「日本書紀」にも記載がある、歴史深~~い漁法なんだそう。

美郷町・都賀(つが)地域では、特に昭和20~30年代に盛んに。昭和45年に地域から姿を消すも、地元有志による保存組合によって復活。

その後、約30年に渡り続けてきましたが、高齢化や人手不足で活動休止に。さらに2018年の江の川水害で、簗(やな)の土台が埋もれてしまいました。

そんな苦境にめげず、「伝統を後世に、子どもたちに」との思いで、新たに有志で大和伝統漁業簗保存組合を結成。令和2年から現在の「簗漁」の疑似体験をスタートさせました。

これまで、「地域学習の場」としての簗漁体験がメインでしたが、現在は「観光としての簗」も軸になっています。疑似体験プログラムは、アユ漁の解禁に合わせ、例年9~10月に実施。

今回はそのお手伝いを兼ねて、島根で唯一の伝統漁「簗」を体験させていただきました!

アユのつかみ取りも!伝統漁「簗」は仕掛けから見る景色も最高でした

今回のプログラムには一般参加者12名、そしてサポーターが3組参加。私はサポーターとして参加しました!

サポーターが担当するのは主に3つ。

  • 疑似体験のサポート
  • 鮎つかみ取り体験のサポート
  • 昼食や会場の準備、片付けのサポート

一般参加者がくる前に、まずは会場にテントを設営。その後、昼食作りで使う焚き火をスタンバイ。

この昼食がとんでもなく美味だったんですが、その話は後ほど!

会場が整ったころ、続々と参加者さんが来場。島根県はもとより、広島県からも来場者が!

ちなみに、サポーターさん3組のうち、1組は広島からの参加でした。

一般参加者・サポーターが集まったところで、組合長・栗原さんから簗漁の歴史・特徴をお話しいただきました。

かつて隆盛した簗漁。メインはアユですが、ウナギが獲れることも。そして最盛期には1日で100キロも漁獲していたそう!

この時期のアユは「落ちアユ」といって、産卵するために河口へ向かうアユ。この「河口近くの産卵場所となる平瀬へ向かう」アユの特性を活かしたのが簗漁の特徴のひとつなんですね。

※平瀬:流れが比較的ゆるい瀬で、産卵場所に適した場所。

解説を受けた後、川辺へ移動。体験する簗漁は、“疑似”体験ってことで、まずはアユのつかみ取りをして、つかまえたアユを簗へ放流。そして簗で再度、アユをつかまえてフィニッシュ!という流れ。

せっかくだからと、つかみ取りを体験させてもらいました!

逃げるアユ、追う人間。つかまえたと思っても、するりと手から逃げて・・・。悪戦苦闘!(笑)

そして、いよいよ簗へ!サポーターは、誘導や子どもたちの見守りがメインです。

組合長の栗原さんが簗へ向かって、アユを放流!

みんなで川から流れてきたアユを、一斉につかみ取り!

簗漁の疑似体験もだけど、この簗から見る江の川の景色が最高でした!

周りに背の高い建物がないので、過去へタイムトリップしたみたい。

この簗の簀、実は国内外の大学生・高校生と、地域の人たちが一緒に作ったもの。

美郷町の都賀(つが)地域では、2022年から「国際ワークキャンプ」に取り組んでいて、組合員と一緒に簀作りをしています。

地域学習を通して、地元の子どもたちに伝えるだけでなく、国外にも伝統漁法の魅力を発信しているんです!

体験後はお待ちかねのアユ料理!塩焼き&アユ飯をいただきま~す

疑似体験が終わってひと心地ついていると、鼻をくすぐるいい香り・・・♪

これは・・・!

こっちはアユ飯。アユのうま味がジュワ~としみ込んだ、美郷町のご当地飯です。たまらん!

ひと汗かいたこともあって、塩味の効いた塩焼き、アユ飯は格別!

江の川の穏やかな景色を眺めながら、地域の味覚を味わえるなんて。特別な時間です♪

みなさんパクパク、もぐもぐ、おいしそうに食べとられました。

2024年度の開催は残りわずか!助っ人も募集中です

これまで「地域学習」としての側面が強かった簗漁の保存事業。5年前からは「観光としての簗」も軸に据え、地域の子どもたちだけでなく、地域外からの参加者も大勢訪れています。

今年度の開催は、

  • 9月29日(日)※一般参加は不可(サポーターは募集中)
  • 10月6日(日)
  • 10月13日(日)

の残り3回。いずれもサポーターは9:30集合、一般参加は10:20集合(10:30スタート)です。

1週間前までの予約が必須なのでご注意を。

一般参加に加えて、私のようなサポーターも募集中。

一般参加者と同様、1週間前までの申し込みが必要なので、気になる方はお早めにチェックを(集合時間は9:30)。見守り・設営のお手伝いが中心なので、子ども連れでも気軽に参加できますよ。

簗のある江の川の風景、そして〆のアユご飯は今だけの楽しみ。少しの時間で非日常が体験できます!ぜひに。

一般参加に関する詳細》江の川唯一のやな漁と鮎のつかみどり体験

サポーターに関する詳細》【美郷町】島根県で唯一!!江の川「簗(やな)漁」のイベント運営スタッフ募集!

ふるさと島根定住財団HP「しまっち!」とは?

今回のプログラムを見つけたのは、ふるさと島根定住財団HP「しまね関係人口マッチング・交流サイト しまっち!」。

「しまっち!」は自分なりのペースや参加方法で、島根の人・まちと交流できるポータルサイト。

現在、イベント・プログラムなどに参加する「サポーター」に加え、プログラムの主催者・地域団体などの「オーナー」も募集中みたい。興味がある方はHPをのぞいて見て!

HPはこちら》しまね関係人口マッチング・交流サイト しまっち!
 

※掲載の情報は、記事公開時点の内容です。
状況の変化、情報の変更などの場合がございますので、最新の情報は店舗・施設のHPやSNSを確認するか、直接お問い合わせください。

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島根・鳥取のタウン情報誌ラズダ編集部スタッフ。島根県松江市出身→浜田市→大阪→奈良→松江市在住。
「日刊webラズダ」では編集デスクを務めています(ただの机です)。喫茶店の冷えたおしぼりと、帽子が大好物な三十路。
日刊webラズダでは主にグルメ、ショップ、キッズ関係の記事を担当しています。あ、あとバツイチ&2児のシングルファーザーです。(←どうでもいい??)

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