暴れる2才の息子にノイローゼ気味。どう接したらいい?【本当にあった育児相談Q&A】
暴れたり、物を投げたりと暴れん坊の子ども。接し方、育児のポイントは?
こんにちは。レインディアの藤原です。
皆さんこんにちは、残暑厳しい毎日ですが、いかがお過ごしですか?
9月に入ってからも、スーパーの棚にはお米がなく、社会がギリギリの歯車で回っている事を実感。「なくなってから初めて気付く」重大さってありますよね。
育児も同じ。辛くて大変ですが、子どもと過ごす時間は、後になって幸せな時間だったと気付く事が多いように感じます。人生は短いと言われますが、子どもとの時間はもっともっと短い、貴重な時間なんですけどね。
さて、今回のコラムは先月、私が対面で受けた育児相談をベースに書いていきたいと思います。
ここのところ、ネットからの育児相談の話題が多く、問題の本質を解決するまでいったかどうか不安でした。そういった点で、やはり対面相談は具体的に解説できたり、対処法を実演できたりするので、私としても達成感を感じます。
それではどうぞ。
〜相談内容〜
(相談者:3才2ヶ月・男の子のお父さんから)
育児が大変で夫婦とも、ノイローゼになりそうです。暴れたり、物を投げたり、叩いてきたりと、とにかく扱いが大変で困っています。
両親とも精神的にも、体力的にもギリギリの状態で育児をしていて、おそらく息子は発達障害があるのだと感じ、大学病院で検査をしてもらいました。ADHD特性があるかもしれないと言われています。
子どもにどう向かえばいいか、アドバイスをお願いします。
まずは子どもの成長具合を観察。意見を鵜呑みにせず冷静に
このような相談、実は結構いただきます。
育児が大変過ぎて、自分の子どもを発達障害だと思い込んでいる。というか、そう理由付けすることで、自信をなくさないよう精神的に耐えている状況の保護者さんは、かなりの数おられると感じます。
これがメールなどの相談であれば、お子さんの状況を確認する事ができないので、問合せ文章から推察して回答します。ですが今回は、実際にお子さん連れで相談に来られましたので、お子さんの状況を観察できました。
お子さんは来るやいなや、キッズコーナーで電車や車のおもちゃで遊びはじめ、ずっと集中して遊んでいます。
時折、こっちを見たり、お父さんと私が話をしばらくしていると、私のところへミニカーを持ってきて「ベンツ!」と車種を教えてくれたり、私の横に座ってミニカーで遊び出したりして、初めて会った私との交流も上手にできます。
「う〜ん、この子のどこにADHD特性を見い出したのでしょう?」と不思議に感じました。おそらくお医者さんも、ご両親を落ち着かせるために「あるかもしれない」という趣旨で発言されたのだろうと推察。
もちろん、もう少し成長してくると、正しい診断が付く事もあるとは思いますが、少なくともこの日の男の子は、問題を感じない良い子でした。
こう感じた場合、私はまず、保護者さんにお子さんの行動を一つひとつ解説していきます。
例えば・・・
★ミニカーで遊ぶ時、一度に5個とか6個とかの複数の車両を使って遊ぶのは、社会性が出てきて数の概念や役割分担が遊びに現れている状況。救急車両や工事車両が登場してきて、ひとつの現場を再現しているので、時系列の遊びが始まっておられますよ。
★車を使って自分の世界で遊んでいる時間、ほかの事に注意がいかず、集中して長い時間遊んでいるので、記憶力もしっかりしてきているハズ。
★私へ車の名前を教えるなど、コミニュケーション力も育ってきていますよ。
★お父さんや私が見ている範囲の中で遊んでいますし、おもちゃを玩具として認識し、目的に合った遊び方をしています。
★お話も言葉をつなげて状況説明されますし、遊びの内容は3才2ヶ月レベルにしっかり到達されていますよ。
上記などに加えて、
「ただし、月齢からして少し遅いと感じるのは、指でピースサインができないなど、指先や道具を使う能力は少し鍛えられた方が良いと感じます。そのほかは、何も問題を感じませんよ」
と伝えると、お父さんも「本当だ!家の子がこんな遊び方をしているなんて気付かなかった」と驚かれる様子。育児をしていると、子どもの早い成長に大人の理解が追いつかず、成長に気付かないという事がしばしば。
安心してください、息子さんはこんなに成長しているのですよ!と、具体的に解説することの意味は、親の不安解消と育児に向かう自信につながるのです。
暴れるのは実は「調子に乗っている」行動のひとつ
ただし、これだけでは普段の大変な育児が楽になるわけではありません。
このお父さんも「ここに来ると良い子なんですけど、家では大変なんです!」と話します。相談内容にあったように、物を投げたり、人を叩いたりする行動がスゴイんです!と。
そこで、私は次なる作戦を実行。いろいろなおもちゃをさらに出して様子を見ていきます。
すると、かなり時間が経った後、具体的には2時間以上慣れたころでしょうか。さっきまでブロックで遊んでいたと思ったら、突然、そのブロックに電車のおもちゃを乱暴にぶつける行動が現れてきました。
ブロックがバラバラになり、それでも力一杯おもちゃをガンガンとぶつけています。
その光景にお父さんが、「これです!こうやってキレたように乱暴になって困っているのです!」と叫ばれます。
私は「あ〜、この行動かぁ、確かにこれは困りますよね〜」と伝えながら、息子さんを捕まえてコチョコチョしながら、「あれ?おもちゃは投げては?」と質問、すると息子さんは「ダメ!」と回答して、行動が落ち着く状況を見てもらいます。
この後は、同様の乱暴な行動は見られませんでした。
今回のコラムの重要な要素、それはこの行動。
乱暴な行動が多動的に見られたり、男の子の暴力性に捉えられたりしますが、これはいわゆる「調子に乗った」行動です。
躾のポイントにもなる「調子に乗った行動」の自制
よく「子どもの行動の何をどう叱ればいいか?」と質問を受けますが、この「調子に乗った行動」は、注意しないとケガや事故の原因となります。
スポーツ選手や芸術家など、調子に乗ることで普段は出せないパワーを発揮する事もありますが、躾の要はこの「調子に乗った行動」の自制であると考えています。
今は9月なので、ネットニュースなどでも不登校や人間関係の問題が流れています。イジメや犯罪も最初はさ細な事でありながら、どんどん調子に乗ってしまい、自分の罪悪観をコントロールできずに“悪い調子”に乗ってしまうと、行動がエスカレート。
元来、子どもは調子に乗っていろいろな行動をする生き物です。それが生きる力や楽しみにつながる面もあると思いますが、調子に乗る子どもを放置すると、社会に悪影響を与えかねませんし、当人も苦しむ結果に。
アンガーコントロールの重要性が話題に上がりますが、調子に乗った行動は、他人に怒りの感情を生む危険性があります。
子ども達を守るためにも、子ども達が調子に乗った行動を取り始めたら、ちゃんと冷静に戻してあげましょう!
その方法は、私が実演したように、子どもならコチョコチョなどして注意をほかに引き、脳をリセットする事が有効。
叱ったり怒ったり、暴力などでを使っても調子に乗った行動は止まらないので、友好的にいくのがコツですよ。
今回相談いただいたお父さん、帰られる時には「スゴく心が軽くなりました。ありがとうございます。また遊びに来ます!」と、前向きなお言葉をいただきました。親子一緒の対面相談でなければ、乱暴な行動の理由を見つけたり、対処法を伝えたりはできなかったと思います。
育児が大変だとお悩みの方、気軽にご相談くださいね。
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この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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