学校には行くけど外出を極度に嫌がる10才の娘。どう接したらいい?【本当にあった育児相談Q&A】

レインディア藤原さん
レインディア藤原さん

外出を嫌がる10才の娘。学校には行くけれど、どうしたらいい?

■藤原さんの育児学Vol.122■

こんにちは。レインディアの藤原です。

暑い日が続きますね。私は、5月に健康診断を受けた時、メタボとコレステロールで注意を受けたので、毎日筋トレ&プロテイン生活で過ごしています。そして2ヶ月で4kg痩せました!

保健師さんの指導が8月末にあるので、今年の夏休みはダイエット期間です。まぁ、精神的にいろいろな負担も重なったので、一部はやつれた影響なのかも・・・(汗)。

ここのところ、育児コラムは、連続して実際の相談に対しての返答をお伝えしています。とても反響が大きく、日本全国から次々と、様々な相談が寄せられるようになっています。

そのため、みなさんへのお返事が半月とか1ヶ月待ちとなる方もおられ、大変心苦しく感じています。しかし、おひとりの相談に答えるためには、かなり集中しないと、軽い気持ちでは返事が書けないため、ご理解いただければと思います。

では今回も、お悩み投稿フォームに「ラズダに掲載しても良い」と、ご回答いただいた方の実例を紹介させていただきます。

〜相談内容〜

(10才・女の子の保護者さんから)

5歳くらいから外出が「面倒臭い」と言い出し始め、泣いて怒って出かけない事が増えました。

6歳〜コロナのため自粛生活が始まり、家でゴロゴロしていることが楽しいと、はっきり気づいたようです。(当時は本を読むことがメインで、ゲームは1日30分、動画テレビはほぼ見ていませんでした)

元々、気を許せる仲の良い友達もほとんどおらず、自分から声をかけられないタイプです。小学生になり重い荷物に勉強と、疲労のためにますます外出しなくなりました。お友達がせっかく誘ってくれても、疲れるから・・・と断ってしまいます。

この1年間でお友達と遊んだのは10回程度だと思います。自宅も校区の外れで、近くの公園に行けば誰かいるということもありません。

家族との外出も宿泊以外はすごく嫌がるので、去年あたりからは1人で留守番するようになりました。本があれば出かけなくてもかまわないようです。

学校は3年生からすごく文句が増えて、「やさしい先生がいい」、「気の合う人だけで同じクラスにして欲しい」、「授業時間内に、きちんと終わらせて欲しい」、「もっと少人数で分かりやすく教えて欲しい(1クラス34〜36人×4組)」ということを繰り返し言っています。

学校では真面目で目立たず(絶対に手を挙げない)、周囲に害なく過ごしていますし、週1〜2回の休み時間の鬼ごっこだけは、すごく張り切って参加しているので、先生もそこまで深刻な児童だとは感じていないと思います。

面談では何度か伝えています。学校以外に居場所を・・・と、よく目にしますが、習い事も面倒臭い、嫌い、どこかへわざわざ行くのなんて、なぜしなくてはいけないのかと、中々難しい状況です。

私自身が幼稚園〜中学が不登校、高校は通信制と、あまり学校に行かない子どもだったので、子どもの気持ちも分かるし、だからといって毎日休んでいいよとも、頑張って行きなさいとも言えず葛藤しています。

なぜ外出を嫌がる?まずはその原因を探っていきましょう

「外出を嫌がる」今回のご相談、学校には行かれているようですし、原因を判断するのはかなり難しいですね。けれど、一つひとつ見ていくと、《5才ごろに泣いて怒るほど、外出を嫌がるようになった》との事。

5才ごろの子どもは、子ども同士での社会性が生まれてきて、自分と合う友達を見つけてくる年齢です。もしかすると、そのころに友達との関係性で、何かトラウマになることがあったのかも。

6才ごろからのコロナ禍は、ちょうど幼稚園から小学校と環境が変わるタイミング。通常なら友達を増やす段階での自粛、これも原因のひとつでしょう。

元々、気の許せる友達がいないのは、現代社会では増えていますし、小学校の重たい荷物や勉強は苦行ですからよく理解できます。

友達に誘われても断るのは、やはり相手に合わせないといけない事が負担なのでしょう。

「本があれば出かけなくていい」と話すのは、本は自分のペースで読み進められるので、自分が主体的に世界を見られるからだと思います。

本を読むお子さんが減ってきている今日、本を読むことはとても良い事。それに学びたい意識、脳へ様々な刺激を与えて、成長したい意識がしっかりある行動なので、好きな事はさせてあげましょう!

3年生からすごく文句が増えたとのこと、これは自立の反応ですね。

過去のコラムで書いていますが、2年生くらいまでは、“大人の言った事が正しい事”として日常のいろいろな事を学びます。

なので、例えば「先生が廊下は走ってはダメって言ったでしょ!」、「ママがご飯の前には手を洗いなさいと言っていたから」などと、良し悪しを決めるのが大人の意見になっています。

しかし、3年生くらいになると、「大人はああ言っていたけど、本当かなぁ?今までと違う行動をして試してみよう!」という行動パターンに突入。自分自身で実験して、自分自身で社会を学び始めるのです。

すなわち、この「文句」は重要な成長の合図。ちゃんと聞いて、話し合って、説明してあげましょう。

現在は10才ですので、このころになると、“決めつけ”が始まってきて、「大人に言ってもどうせ反応は同じ」という態度に変化。

《大人を試す行動》が増えてくるので、反抗期のように感じますが、内面では甘えたいので、ママがお出かけする時に「どうせ誘っても来ないだろう」と、親が決めつけてしまうと、より反発が強まります。

この段階で大切なのは、大人の深さを知らせる事。

女性ホルモンによる身体の変化も出てくるでしょうし、分からない事が次々と出てくるので、会話をしっかりしましょう。そして、今のうちから13才ごろより始まる思春期、第二反抗期の事を自分で調べさせても良いでしょう。

お母さんの人生経験も、これからは一歩深く話していかれると良いと思いますよ!

読書家の娘さん、実は社会を先んじて学んでいるのかも

また、学校では目立たないようにしているのは、ほかの子どもを幼稚に感じている部分があるのかも。

女の子は、基本的に“自分が1番”という意識が強い傾向にあり、周りに合わせるのがムダだと感じているのではないでしょうか?

本を読まれるお子さんは、相対的に成長が早く、IQも高くなっていく傾向があります。客観的に見て、クラスの中での自分を演じているのでしょう。

その負担を癒やすために、外出を嫌がったり、家でゴロゴロしたりする必要があるのだと思います。

「学校以外に居場所を」という昨今の風潮、私は問題点もあると考えています。

家があって、学校があって、それ以外の居場所をつくる必要は何でしょう?

本来、学校は社会であり、家庭は休息の場所。しかし、家庭に休める場所がなく、学校は何かあるとすぐに家庭に報告してしまう現代。

家庭と学校が連携したために、親に告げ口しない場所、隠れてこそこそできる場所が、第三の居場所として必要になっている悲しき現代だと私は捉えています。

本、たとえマンガや変わった本であっても、たくさんの本を読むことで、すでに娘さんは社会を学んでいます。いつかは外出したい時がくるハズです。

お母さんも不登校経験があるとの事で、もしかするとその不安や、自信のなさが娘さんに伝わっているのかもしれません。

娘さんはまだ10才、良い出会いはこれからたくさんあります。

相談内容の文章からだけで判断するならば、娘さんは家でしっかり充電できているようなので、多少は「頑張って行きなさい」と言って、学校に行かせてあげれば良いかなと思いますよ。

思春期に入ると、親子の会話が減りますので、今のうちにいろいろと会話する時間を取ってあげてくださいね。


今回の相談者の方は、5才から現在まで5年に渡る出来事を記入されていました。長期間、悩み続けているのは、親にとっても子どもにとっても辛い時間。

子どもと一緒に生活していると、子どもの成長の変化に気付きにくくなってしまい、復帰のキッカケを逃しがち。子ども達は必ず成長し、あるタイミングで行動を変えるチャンスがあります。

決めつけたり、諦めたりは絶対にダメ。子どもは大人ほど捻くれていないので、気持ちをダイレクトに伝える事があります。

その言葉を聞いてあげる事から変化は生まれますよ。

お悩み相談を受付中です

みなさまも何か聞いてみたい事などありましたら、お気軽にお悩み相談フォームにお寄せください。ただ、ここのところ方々から相談が数多く寄せられており、お返事にお時間をいただく場合があります事、ご了承ください。

-------

下記相談フォームより、匿名での無料相談も受付中。鳥取県外の方のご相談も大丈夫です。

なお、メールでの回答となりますので、私からの回答が迷惑メールフォルダに入っている場合や、順番に対応しているため返答に日数をいただく場合もあります。ご了承ください。

シェアする!
このエントリーをはてなブックマークに追加

鳥取・島根のお仕事情報

この記事を書いた人
レインディア藤原さん

Reindeer 代表取締役社長

レインディア藤原さん

北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。

最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。

【レインディア藤原さんの過去記事一覧はこちら】

コーセリプロジェクトHP

鳥取・島根のお仕事情報