娘に続いて中学2年生の息子も不登校気味に。どう接したらいい?【本当にあった育児相談Q&A】
中学校2年生の息子が不登校に。こんな時、どんな接し方をしたらいいの?
こんにちは。レインディアの藤原です。
過去の本コラムを通して話しているように、私は基本的に、「問題解決を相談者が自分でできる」ようにアドバイスします。
私が解決のために動く事はまれで、お母さんや時にはお父さんへ、現在の子どもの状況、発達段階や精神状態などを言語化して代弁。保護者さんに理解してもらい、子どもへどのようにアプローチすると良いのか、といった事をレクチャーします。
それは《子ども自身は第三者の介入を求めているわけではない》と考えるからでもあります。
子どもは、親に理解してもらいたい、親に助けてもらいたいと、最後まで親を信じようとする本能的な傾向がありますから。大切な事は、親子の信頼関係を壊さないこと。
では、今回も実際に私が回答した一例をご紹介します。この相談は、記事下部のお悩み相談フォームに、関東地方在住の方から6月に寄せられたもの。
※フォーム登録時に掲載可能といただいた方のみ掲載させていただいています。
〜相談内容〜
(14才・男の子の保護者さんから)
中学1年生になってすぐに週に一日位休む日が出できて、夏休み後は休む日もありながら遅刻早退でなんとか通っていました。3学期には遅刻・早退しながらも自分で歩いて行けるようになり、一日も休まず行けました。
2年生になり、クラス替えがあり担任もかわりました。はじめの一週間は朝から行き、部活も出てきたのですが、本格的に授業が始まると休むようになり、一学期はほぼ休んでいます。 週に一度程度、遅刻して行けるくらいで、その時は歩いて行くなら行かないというので、私が学校まで仕事を休んで送っています。帰りは歩いて帰ってきます。友達と何かあったわけではなさそうで、何が嫌で学校へ行かないのかわかりません。
家ではゲームをして過ごしています。一日のゲームの時間は決めていていますが、こちらで時間管理ができないゲーム機もあるためずっとゲームをしています。毎朝、学校へ連絡するために、今日は学校へ行くのか、休むのかと本人に聞いていますが、遅刻して行くといってもその時間になるとやっぱり行かないとなり、学校まで車で送ってもそのまま戻ってくることもあります。
「行くつもりがないなら、はじめから休めばいい」と言ってしまったことがあるのですが、私が行かないと言うと、不機嫌になるから嫌だと言っていました。 しっかり休んで元気になったら学校へ行ってくれるのかと思うのですが、行ってもらいたいという気持は無くすことができません。学校以外の居場所でもいいと思いますが、中間教室や学校外のフレンドリー教室には絶対行きたくないといいます。
この先どうしていくのがいいのか、このまま休み続けて本人が動き出すのを待つしかないのでしょうか。
姉も中学生から不登校で、今は通信制高校に通っていますが、毎日昼過ぎまで寝ているのを見ていて、学校へ行かなくてもいいと思っているのかもしれません。子どもが二人とも不登校になり、私の接し方が何かいけなかったのでしょうか。
「理由が分からない不登校」の原因は不特定多数の異性との関り?
お子さんが二人とも不登校になったとの事、お母さんの接し方が、もしも暴力的だったり、ネグレクト状態で育児放棄気味だったりなら可能性がありますが・・・。または、習い事をたくさんしていたとか。子どもへ負担を与えていた、そういった心当たりがありますか?
なければ、お母さんに不登校の原因があるようには感じません。けれど、このままでは家族関係も悪くなっていきそうです。
姉弟、二人とも中学校で不登校との事で、この点に関しては、もしかすると遺伝的にホルモン変化の負担が大きい体質なのかもしれません。
ニキビや月経などに個人差があるように、成長ホルモンによる心身の負担も個人差があるように感じます。中学1年のころから休む日が出てきたとの事で、年齢的には第二反抗期、思春期の始まりと重なります。
友達とのトラブルもなく、遅刻しても学校に行けていたのであれば、学校に会いたくない人がいるわけでもなさそうですから。身体の変化が想像以上に負担となっているのかもしれませんね。
声変わりやニキビなどはどうですか?また、お母さんに甘える、または異性の話をすると嫌がるといった、異性を強く意識する行動がありませんか?
思春期は異性への興味や、意識が高まってくる特徴があり、学校へ行けない原因に《ほかの異性が気になる》場合も。
過剰に意識をしてしまう状況になり、寝グセなど外見の身だしなみを意識したり、女の子なら化粧やダイエット、拒食症の相談が入ってきたり。子ども自身は、異性への意識が高まってきた事実を消化しきれていない場合が多く、周りがそれを指摘すると強く反発したり、無視したりします。
大人の性犯罪が多い日本ですが、これは日本人の遺伝子にそういった特徴があると言う人もいます。異性への感情をコントロールするのが苦手な日本人、外国の大学でも日本人は同性同士でグループを作り、異性と混ざらない光景が見られます。
あくまで私の経験上ですが、親や学校など周りの人から「理由が分からない不登校」と捉えられている不登校の理由に、不特定多数の異性を意識している部分があるのでは?と感じています。
ではどうすべき?まずは「親子の時間」を有効に使ってみて
現在は、学校へ行かず、ゲームをして過ごしているとの事で、まずはゲーム以外の時間を作らないといけませんね。
マンガ、ネットラジオ、模型作り、何でもいいのですが、何か興味ありそうな事はありませんんか?
ゲームは、同じ事の繰り返し作業なのですが、この同じ事の繰り返しは、幸福ホルモンのセロトニンを出すとも。一見、繰り返し作業は無意味に見えても、本人はその世界に入っていると落ち着く感覚があり、抜け出せなくなってしまいます。
私は、最近寄せられるゲーム好きな子には、「アルゴロジック」などのプログラミングサイトを紹介しています。ゲームから、プログラミングへの以降は比較的スムーズで、子どもも興味を示してくれるので、ネットで検索してみてください。
興味が出てきたら、プログラミング教室などに通ってくれるかもしれません。
学校へ行けなくなると、自信を失ってしまうので、まずは《自信を取り戻す》事を考えたいところ。
中間教室やフレンドリー教室へ絶対行きたくないと言われるのは、「あなたは不登校児です」と、烙印を押されたような気持ちになるからでしょう。無理に行かせようとすると、「お母さんはボクを見捨てた」と受け止めかねません。
お母さんが「学校に行って欲しいと思っている」と息子さんは充分に理解しています。お母さんのためにも学校へ行こうと頑張るけど、「目の前で苦しんでいるボクが見えている?」と疑問に感じているかもしれません。
息子さんとしては、「今の自分の幸せを考えて!」、「今は将来の事は考えられない!」という段階だと思います。
一般的に、子どもが不登校になった親御さんの多くが、子どもを疲弊させる対応をとってしまいがち。
せっかくできた親子の時間、平日ガラガラの観光地へ遊びに行ったり、映画館に行ってみたり。そうすれば良い親子の思い出が作れるのにもかかわらず、不登校になった時に、親は仕事を休んで学校へと向かわせます。
お母さんに今して欲しい事は、親子でおいしいご飯を食べに行ったり、二人で旅行へ行ったりと、お母さん自身が楽しめる事に誘ってみてはどうでしょう?もちろん、弟さんと二人で出かけたら、今度はお姉ちゃんとも二人で何かしてくださいね。
今の段階では、一人ひとりと個別に対応した方が良いと思います。子ども達が落ち着いてきたら、姉弟揃って出かける事も考えてみてください。
中学生ごろの世代は、まだまだ世界の広さを知らないので、狭い社会の中で物事を判断してしまいます。
学校に半年行かなかった事など、人生の中ではほんの一瞬ですし、その後の人生がすべてダメになるわけではありません。ポイントは《それ(空白期間)を息子さんが自覚できるかどうか》。世界の広さを教えてあげて欲しいと思います。
ご相談内容から、いろいろと推測を入れての回答となりました。もう少し具体的な情報があれば、さらにお返事する事もできますので、今後も気軽にご相談いただければと思います。
春は花粉症、5月病に6月病、梅雨のジメジメ、そして夏の酷暑。快適に元気いっぱいで過ごせる時期が少なすぎて辛いところ。
子ども達も同じなのか、ここのところ毎週不登校相談が寄せられています。
私のところは、不登校になった子どもが継続的に通う場所ではないため、多くの場合、最初はお母さんが相談にやってこられます。平均的な一組の相談時間は3時間、一度にしっかりお話を聞くのが私のスタイルです。
そうする事で、問題がどこにあるのか、どういった手法がとれるのか、各家庭に合わせた対応の方法を一緒に考えられます。
長時間話すと、ほかの兄弟姉妹に大きな問題を抱えているなど、ほかの家庭環境の様々な問題点が現れてくる場合も。
人に相談をする事自体、とても勇気のいる行動ですから、何も収穫無く帰られることが無いようにと心がけているつもりです。読者の方で悩みの種がある方は、いつでも下記フォームからお問い合わせくださいね。
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この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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