親子の絆を深める絵本の魔法!出雲市『小村書店』からのメッセージ
元保育士夫婦が切り盛りする“絵本推し”書店!出雲市『小村書店』に聞いた絵本の力とは?
私
「絵本の魅力ってなんですか?」
小村書店の小村さん
「親から受けた“愛の記憶”を思い出させてくれるもの、ですかね」
今回お邪魔したのは、出雲市平田町にある『小村書店』。
平田町で約100年。初代から引継ぎ、現在4・5代目夫婦の二世帯でお店を切り盛り。絵本を中心に、マンガ、週刊誌や生活誌、文庫本などが並びます。
「保育士なりたてのころ、『はじめてのおつかい』を子どもたちに読み聞かせる機会がありました。すると不思議なんですけど、小さいころに読んでもらっていた感覚や、感情が一気に蘇ってきました」
《絵本には親からの愛情が詰まっている》
自分が成長して、またその絵本に出合った時、すごく幸せな気持ちにさせてくれる、とも話してくれました。
最近20年で、全国各地の書店数は半減。そんな中、“子どもたちの未来に書店を残す”ことが、ゆいさんの夢。
現在は保育園や施設での読み聞かせ、絵本にまつわる講演会などを積極的に行っています。
子どもはいつから絵本を読めるようになる?
「子ども(主に乳幼児)って絵本を、絵で読んでいると思うんです」とゆいさん。
絵で読むって?またまた意外なお話。
例えばこの絵本。
「ほぼ“ふんが”ってセリフしか出てこないのに、子どもはすごい喜んで読むんですよ」。
中を開けば表情豊かなゴリラの絵。やる気にあふれていそうな顔、涙を流しているような顔。
言葉は分からずとも、表情の変化、色使いといった情報から、その豊かな想像力を膨らませているのかな?
店内奥の棚には、その時期にオススメの絵本をピックアップ。
左側に見える本棚は昨年の春に新しく作ったもの。対象年齢別に陳列されています。
本棚の一角には「パパ・ママ向け絵本」、「大人向け絵本」といったコーナーも。
大人になった今こそ読みたい一冊、手ざわりのいい上質な紙を使った絵本。例えば子どもには苦~い、コーヒーの絵本とか。
大人はつい、文章のままを受け取りがちだけど、子どもは絵を見て想像力を働かす。喜びや悲しみの感情を知って、そこに疑問を持ったり、何かに気が付いたり。絵で物語を読み取る力をつけて、様々な感情への理解を深めているのかもしれませんね。
言葉が理解できなくても絵本を見てくれる。だから絵本は、生後3ヶ月ごろから読み聞かせできるのだと教えてくださいました。
保育士目線の絵本選び。『小村書店』の“選書日”って?
小村さんご夫婦、実は奥さんだけではなく、旦那さんも元保育士。小学生のお子さんがいます。
“保育士目線の絵本選び”も『小村書店』のこだわりのひとつ。
子どもの発達に関する知識が豊富な小村さん夫婦がセレクトしているのは、「親子で読んで欲しい」絵本。
こちらは入学・入園シーズン向けの本棚。
新たな環境に、ドキドキ・ワクワクしているのは、親も子も同じ。
この本棚からは、そんな親子に「学校は怖い場所じゃないよ」、「不安にならなくても大丈夫」といった『小村書店』からのメッセージが込められているよう。
『小村書店』では「選書日」を設けています。簡単に言えば「絵本の相談日」。
読み聞かせるのにどんな絵本がいいか、悩んでいることなど、何でも相談してみて。ひとりのお子さんに向き合って絵本を選んでくれますよ。選書日は主に週末にあり、お店のインスタグラムで告知。
絵本と一緒に、子どもとの時間を過ごしてほしい
最近では絵本の読み聞かせ動画もあります。
「絵本の読み聞かせ」の手法も変わってきました。とっても便利な時代ですよね。
「動画も良いところがあります。でも、便利な時代になったからこそ以前に比べ、親子の時間は減っていると感じます。忙しい手を止めて、大好きなお父さんやお母さんの声で絵本を読み聞かせてくれる。これって子どもにとって、なんとも幸せな時間なんです。絵本が親子をつないでくれると思います。」
絵本から親の愛を受け取ったゆいさんの、保育士時代の体験を聞いた後だと、説得力が増しました。
親から読み聞かせてもらった絵本って、自分が大人になった時、かけがえのない宝物になるのかもしれないですね。ステキな本屋さんに出合えて、幸せな気持ちになれました。
何十年後の未来も、子育てするお家に絵本がありますように!
『小村書店』の場所、駐車場
『小村書店』があるのは出雲市平田町、『山陰合同銀行 平田支店』の横。駐車場は合銀の向かいにある「ほんまちお客様専用駐車場」。
近くに「平田木綿街道」にあり、歩いて行ける距離です。
小村書店
オムラショテン
電 話:0853-63-2030
住 所:島根県出雲市平田町1068 [MAP]
営 業:9:30~19:00
休 み:不定休
駐 車:15台
情 報:HP Instagram YouTube
【近くにあるオススメスポット】
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この記事を書いた人
タウン情報ラズダ編集部
編集部あつきち
タウン情報ラズダ編集部。鳥取県米子市、白ネギがおいしい町出身。
好きな食べ物は旬の野菜とくだもの、大豆製品。夏に見るツヤッツヤなナスと、冬のぶっくり太ったカブを見つけると、うれしくてテンションが上がります!
取材先で感動した場所は隠岐の島「摩天崖」、思い出の取材先は境港市「ポパイ」と大田市「Cafe Asbach」。
偶然が生む発見が大好物!ハプニングは好きな方です!
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