「株式会社海産物のきむらや」ってどんな会社?[鳥取・島根のリーディング企業2023]
働いてみたい注目企業40社!就活の必携本「鳥取・島根のリーディング企業2023」
みなさんこんにちは、鳥取・島根のタウン情報誌「ラズダ」編集部です。
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鳥取・島根には業種を問わず、“山陰から世の中を元気にしたい!!”と本気で考えている企業がたくさん。
本誌で紹介しているのは、山陰を、日本を元気にしよう!という熱い想いを持つ40の企業。「この企業で働いてみたい」「こんな人たちと仕事がしてみたい」そんな企業がきっと見つかる就活情報誌です。
今回は「鳥取・島根のリーディング企業2023」の中から、私が特に気になった企業をピックアップ!新卒就活、転職、UIJターンの参考にしてみてくださいね♪
「株式会社海産物のきむらや」ってどんな会社?
やさしい海の恵みを届けいのちのを支える
モズク一筋半世紀。フコイダン研究で世界的にも注目
酢の物や汁の具材として、食卓で親しまれている海藻の一種、モズク。このモズク加工のトップメーカーが鳥取県境港市にあります。その名も「株式会社海産物のきむらや」。塩蔵モズクの行商からスタートした事業は数々のヒット商品を生み出したうえ、モズクのぬめり成分「フコイダン」の研究を推し進め、多くの機能性を解明してきました。
近年は、原材料を提供した地元製麺所がアカモクを使った減塩うどんを開発したり、ローカル酵母を使った地ビールを地元のビール醸造所と共同開発したりと、地域と一体となった豊かな食づくりにもいっそう注力。2代目に就任した木村美樹雄社長(38)は、「創業以来50年間大切にしてきたのは、食を通じて命を育むこと。先代の系譜を引き継ぎ、食品製造の枠を超えた健康応援をより強化していきたい」と抱負を語ります。
1972年創業。起業を試みた22歳の若者が思いついたのが、モズクを塩漬けにして売り歩くことでした。木村隆之会長(73)は「塩蔵なら冷蔵庫も要らず、資金も不要だから」と振り返ります。生まれ育ったのは漁業が盛んな美保関町。父親は漁師、母親は板ワカメなどの行商をしていたそうです。
木村会長が営業中、鮮魚店で偶然見かけたのが沖縄・伊平屋島産のモズク。島の振興のためにモズク養殖を本格的に始めかけていた、後の漁協組合長に出会い、買い付けを頼み込んだとのこと。「当時まだモズク養殖は珍しく、『モズクで日本一になる』と息巻いていた私は必死でした」と木村会長。契約にこぎつけると、便利でヘルシーな味付モズクの個食販売をスタート。地元スーパーなどで次第に人気を得ました。
自社の研究室で機能性解明
さらなる販路拡大を狙い、飛び込みで営業した「大阪いずみ市民生協」での取引開始は、売り上げ拡大の契機となると共に、衛生管理と品質管理の強化にもつながりました。87年には社内に開発研究室を設置。94年からは島根大学と共同研究をスタートさせ、96年には大腸菌O-157を使った実験でモズクの抗菌性を発見しました。
その後、モズクの抗菌性がぬめり成分「高分子フコイダン」に由来することを解明し、分子量30万レベルの高分子の抽出、精製にも成功。現在は、専用プラントで抽出した高分子もずくフコイダンを健康食品としてグループ会社で販売しています。
食品会社として異例なのが、自社商品の機能性を自ら解明している点。鳥取大学との共同研究では、フコイダンが持つ抗がん剤の副作用抑制効果や軟骨再生促成効果などを確認、いずれも特許を取得しました。アルコール分解促進や整腸作用、痛風改善の効果があることも実証。国内外で数々の特許を出願、現在16件が有効とのこと。社内には博士号を持つスタッフを3人擁し、農学系や医学系の学生らが門を叩くことも多いそうです。
そんな中、大切にし続けているのが、モズクを育む伊平屋島などの生産地保護。売り上げの一部を環境保全や交流事業にあてるなど力を注いでいます。同時に、より頼られる食品会社としても成長の勢いは増し、新商品開発にも積極的に取り組んでいます。
創業者の背中を見て育った木村社長は、「普段の食生活から健康を意識する流れは加速している。ニーズに応えられる、頼られる食品会社であり続けたい」と意気込みます。
仕事の成果が、製品として形になる
栄養士の資格を持ち、新製品を生み出すだけでなく顧客や時代のニーズに応じて既存商品のリニューアルも企画。
酢が苦手な人でも海藻を食べられるよう、醤油ベースの商品に改良したことも。「仕事の成果が目に見えるのは魅力のひとつです」。3度の育児休暇を経て復帰、娘3人を育ててきました。「同僚らのフォローが励みになっています」
生産設備のメンテナンスに加え、新規開発も
電子機器メーカーから転職した萩野さんは、高専時代の恩師に紹介されて入社を決意。日常的に生産設備のメンテナンスを担うほか、設備開発にも挑み、包装工程では作業時間の短縮やスタッフの負担軽減を実現しました。
「ソフトと図面を設計しました。機械を触るのは好きなんです」。会社の支援を得て、第二種電気工事士の資格も取得しています。
原材料の異物購入を厳しくチェック
8歳下の弟が沖縄・伊平屋島でのサマースクールに参加したという森さん。「CSR活動や生産者交流に注力している会社という認識でした」。
栄養士の資格を持ち、商品開発部で7年勤務。現在は、モズクの洗浄や選別、熱処理などを担っています。異物がないか手作業でチェックする工程は特に神経を使うのだとか。
苦手意識克服し、営業職に魅力を
生物分子化学を学び、研究室への配属を希望していたが、営業部に抜擢された石倉さん。コミュニケーションに苦手意識があったものの、自分なりのスタイルを見つけ、やりがいを覚えるようになったといいます。
「社内外の様々な人の話を聞け、会社全体の様子も分かる。今では営業職に魅力を覚えています」。現在、中四国地方のセールスを担当しています。
YouTubeでアカモクレシピを発信
会長のスケジュール管理や資料作成など秘書業務のほか、広報や商品企画でも活躍する屋敷さん。
営業部の依頼で、店頭に飾るポップを作ることも。今、力を入れているのは、自社製品を使ったYouTubeでのレシピ紹介。同僚が調理を担当し、撮影や編集を担いました。「アカモク入りのキンパが好評でした。好きなことに挑戦できる会社です」
産地の環境保全にも注力 食と健康をつなげる会社に
創業50年を迎える、海産物のきむらや。次なる目標である100年に向け、会社が力を入れているのが、事業の多角化と高付加価値化です。創業当時から販売しているモズク製品に加え、現在、山陰で採れたアカモクや鮮度の良いアジやハタハタ、ナマコの加工品なども製造。今後新たな商品開発も進めていく予定とのこと。木村社長は、「会長が信頼関係を築いて多くの販路を拡大してきた。そのレールを生かし、生み出した新商品を届けていきたい」と抱負を語ります。
12年という長い行商時代を経て、初代が開拓した販路は、大阪府下最大の「大阪いずみ市民生協」を始め、首都圏中心の8生協が加盟し、加盟世帯が500万を超える「コープデリ生協連合会」など、全国各地の生協やスーパーに及びます。
2022年1月には、冷凍庫棟を新設。夏の繁忙期には生産が追い付かず、注文を断らざるを得ない時がありましたが、生産体制の強化で売り上げが伸び、従業員の残業も大幅に減少。新工場屋上に設置した太陽光パネルで、日曜日は冷凍庫の待機電力を100%まかなえるといいます。
産地の環境保全活動も強化しています。10年からは、コープデリと共に伊平屋島産モズクの売り上げの一部を地元に寄付して、海岸清掃や漂着ごみ運搬などの自然環境保護活動を行うプロジェクトをスタート。累計寄付金額は1700万円にも及ぶ。関西の生協とは、同じく産地である沖縄・久米島の環境保護を行っています。「豊かな自然環境の中でこそ美味しいモズクが育つ。良い商品づくりのために産地の環境保全は欠かせません」と木村社長は力を込めます。
22年からは、「高分子もずくフコイダン」を機能性表示食品として販売するための研究もスタート。人材育成も強化しています。研究職であっても入社当初は製造部で数か月研修し、会社の屋台骨を体感する制度は維持しつつ、衛生管理や品質管理などの研修制度をより充実させていく考え。「当社が目指すのは、食品のプロ。衛生管理を始めとする各種マネジメントはもちろん、産地を尊重した取引や真摯な消費者対応、そして新たな商品開発やリスク管理まで、理論を踏まえた経験と技術で、食と健康をつなげていきたい」
求める人物像
● 細かい作業やコツコツ作業が好きな方
●何事にも誠実に取り組み、自分の意見を素直に表現できる方
●食への興味やチャレンジ精神が旺盛な方
●向上心があり、チームワークを大切にできる方
【資料請求・お問い合わせ先】
採用直通TEL/0859-45-6555
採用直通 E-mail/matsumoto@fucoidan1.jp
公式サイトはコチラ
企業概要
業種 | 食品製造業 |
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事業内容 | 水産物加工及びもずく製造販売、高分子もずくフコイダン開発製造 |
創業 | 昭和47(1972)年3月 |
代表者 | 代表取締役社長 木村 美樹雄 |
社員数 | 105名(男52名 女53名)(ベトナム実習生8名含む) |
株式会社 海産物のきむらや
カブシキガイシャ カイサンブツノキムラヤ
電 話:0859-45-6555(採用直通)
住 所:鳥取県境港市渡町3307 [MAP]
情 報:HP
sponsored by 株式会社 海産物のきむらや
鳥取・島根のお仕事情報
この記事を書いた人
タウン情報ラズダ編集部
編集部あつきち
タウン情報ラズダ編集部。鳥取県米子市、白ネギがおいしい町出身。
好きな食べ物は旬の野菜とくだもの、大豆製品。夏に見るツヤッツヤなナスと、冬のぶっくり太ったカブを見つけると、うれしくてテンションが上がります!
取材先で感動した場所は隠岐の島「摩天崖」、思い出の取材先は境港市「ポパイ」と大田市「Cafe Asbach」。
偶然が生む発見が大好物!ハプニングは好きな方です!
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