【藤原さんの育児学Vol.6】スウェーデン旅行記2
木製玩具の老舗メーカー「BRIO」誕生の街・オスビーへ
当店でも大人気の木のおもちゃメーカー・BRIO(ブリオ)社。1884年創業の老舗で、近年は優れたデザイン性からインテリア小物としても注目されています。今回は、友人パトリック君の実家も近いということで、彼の運転で南部の街・オスビーにあるBRIOミュージアムに行ってきました。
まず出迎えてくれたのは、代名詞的存在の巨大なピエロの人形。実際の玩具の商品名はスタッキングクラウンといいます。そして、いよいよミュージアムへ。実は、既にこの街での生産は終わり、産業としては他の国へ移ってしまっているのですが、世界中のファンのため(?)にミュージアムや工場跡は残されています。
中に入ると、100年以上の歴史あるブランドだけあって、見た事のない様々なデザインのおもちゃたちが並んでいます。私は自分でも木を削っておもちゃを作るので、構造や仕上げ方法など、とても勉強になります。赤ちゃんの科学が体系的に解明されていなかったであろう時代に、子どもたちが喜ぶ物や熱中する物を製品化していっていると思うと、教育要素のある物も多く、私自身感動しきりでした。
BRIO社は一時、日本のゲームメーカー・SEGAの代理店を担っていたり、バービー人形を扱っていたりと、スウェーデン玩具の総合商社的な役割も担っていたようです。私は鉄道模型も好きなので、ショップにドイツのメルクリンが並んでいて、思わず買いそうになりました(笑)。
近年、BRIOに限らず様々なメーカーが過去の名品の復刻をしています。テレビゲームやハイテクな玩具もいいのですが、木のおもちゃの発育効果が再認識され、世代を超えて遊ばれています。おもちゃが現在の形に至るまでの歴史を知ることで、安全なサイズや製造コスト、流行の変化なども知る事ができます。こうやって見ると、おもちゃや遊びも、ひとつの大切な文化なのかもしれませんね。
日本の伝統的な玩具、例えばけん玉やおはじき、コマやだるま落としなども時代を超えて人気のある玩具です。これらの日本の玩具は、遊べる年齢で見ると早くても4才頃からとなり、BRIOの玩具はその下、1〜3才を対象とした物が中心となります。
BRIO誕生の裏には、当時の社会情勢や環境が大きく影響しています。長く厳しい冬、子どもたちも家の中で過ごす事が多かったのでしょう。昔の日本は一年中外で遊べましたが、今はどうでしょう? この夏はどうでしたか? 家の中での遊びを考えてあげたいですね。
ミュージアムには地下があり、とても凝っています。サンタクロースのお手伝いをするトントゥが木のおもちゃを作っている世界が再現され、薄暗い中に機械音が鳴り響き、人形が飾ってあるので少しホラーな雰囲気です。様々な写真や昔のテレビCM映像も流れていて、玩具の視点で19世紀から20世紀の世相を学べ、大変貴重な体験をすることができました。
こんなブリオミュージアムを含め、私たちのスウェーデン南部観光の一日を、スウェーデンに住む友人のnattanさんが紹介してくれています。興味のある方はぜひこちらのブログをご覧ください! スウェーデン情報が満載ですよ。
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この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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