音楽は子どもの成長バロメーター。子どもと音楽の“楽しい関係性”を築くために
【藤原さんの育児学Vol.67】音楽を楽しもう!
みなさんこんにちは。ゴールデンウィークの予定は立てられましたか?
我が家は、春休みに家族旅行ができたので、GWはゆっくり休みたいと思っていますが、それはパパだけですかね(笑)。
さて、今回のコラムは「子どもと音楽」について書いていこうと思います。
音楽に興味を持つ=成長のサイン
みなさんは最近、音楽を楽しんでいますか?
妊娠・出産し、育児や家事、仕事で忙しくなってくると、音楽を聴く余裕もなくなってきます。私も若い時は、ドライブしながら大音量で音楽を楽しんだり、コンサートや演奏会に行ったりしましたが、赤ちゃんが家族になると、家は静かになっていきます。
ふと気がつけば、流行の音楽が知らない曲やアーティストばかり。紅白歌合戦もジェネレーションギャップで自分が年をとった事を知らされる番組となっていました・・・。
でも最近、また音楽を聴く時間が増えています。それは、中学校に入った息子が、音楽を楽しみ始めたからかもしれません。
サブスクの音楽サービスを利用し、音楽を聴いている時間が急に増加。それにつられて、家族みんなで音楽を楽しむようになってきたのです。
思い起こせば、私も思春期に入る頃、中学生で初めて自分でCDを買ったな~と。音楽を欲するのも、成長の一段階なのですね。
【赤ちゃん~5才ごろまで】興味を持つ音楽の種類と、ふれさせてあげたい内容
人間は、お腹に赤ちゃんが育つ段階から、胎教で音楽とのふれ合いが始まります。
よく、生まれてきた後にも「その時の音楽を聴かせると泣き止む」的な話を聞きますが、脳で記憶力が誕生し、数ヶ月前のことまで覚えていられるほどに育つのはずっと後の話。
ですから、この段階では脳ではなく、細胞やまだ解明されていない分野で覚えているのかもしれない、という未知の行動なのかも。
赤ちゃんは、生まれた時から「生きていくためのプログラム」を持って生まれてきます。
口に入るものを吸ったり、ママの声や鼓動を聞かせると安心したり、泣いたり、睡眠に入ったり。生まれてからすぐに、教えられたわけでもないのに成長に必要な行動を始めます。もしかすると、胎教の段階でプログラム形成に影響しているのでしょうか。
生まれた時、目はほとんど見えませんが、音は聞こえています。
生まれてすぐに聴覚検査を行い、音が聞こえているかを判断することができます。大きな音に驚いたり、ほかの赤ちゃんの泣き声に釣られて泣いたりといった行動がスタート。
そして、子守歌などでママの声や歌のリズムとふれ合いながら成長していきます。
実際に音楽に反応するのは1才前後の頃でしょうか。
この頃になれば、泣いていてもお気に入りの音楽で気分を切り替えて、泣き止んだり、笑顔で反応したりが始まります。マラカスや鈴など、振って音が出るシンプルな楽器も楽しめるでしょう。
娘が車の中で泣き出した時も、お兄ちゃんが幼稚園の歌を歌うと泣き止むので、毎回泣き止ませ係として活躍してくれたものです。
1才を過ぎると、CDやDVDなどを自分でセットして音楽を楽しむ子も出てきます。
親の行動を見て、セットの仕方を覚えるワケですが、そこには「音楽を聴きたい」という欲求があるのでしょう。
ただし、まだ大きな音や金属が響くような音は聞かせないようにしましょう。空気の振動数が多いと耳の負担も高まります。親が好きだからと、ガンガンに音楽をかけることは控えてください。
1才半ごろになると、太鼓や音の響かない木琴などの楽器を楽しむようになります。カスタネットや、小さなギロなど両手を使って音を出す楽器も楽しめるようになります。
2才頃になれば、鉄琴やピアノ玩具など、高い音域も出て、階調のある楽器も楽しめるようになります。お喋りが急速に上手になる時期と相まって、歌詞を覚えたり、振り付けを覚えたりも。
2才半頃には、一曲丸ごと覚えて披露してくれるでしょう。保育園や幼稚園でも、この年齢になれば、音楽に合わせて可愛いダンスを一緒に楽しめるようになります。
3才を超えると、今まで覚えていた曲や歌詞を忘れる段階があり、それが幼児健忘の切り替えのタイミングとみられます。
これ以降は、大人へと繋がる記憶のスタートとなり、音楽の英才教育を始めたい方はこの頃からになるでしょう。
逆に言えば、生まれた時からのピアノや楽器の教育は、親の自己満足な押しつけ、体罰であると私は考えます。
4才~5才と、教育テレビの歌のお姉さん・お兄さんと一緒に楽しめるようになり、集団での演技や合唱ができるように。
音楽を聴くと、自然と体が動き出し、リズムに乗ってダンスする子どもたち、小さな体でエネルギッシュに表現する姿には毎回感動します。
娘がこの年代の頃に、昔のカセットテープの使い方を教え、音楽再生しながら塗り絵を楽しんでいました。
音楽には、集中力を高めたり、ほかのアートや芸術の表現力を高めたりするパワーがあるのでしょう。そういえば、冬季オリンピックのスノボー選手達も音楽で集中していたと聞きます。
「音楽=学習」になる小学生以降。“音を楽しむ”ことができる環境を
その後、小学校に入ると、その楽しそうな姿が一気になくなっていきます。
周りから見られている事から緊張し、音程を外さないようにと頭で考えて音楽を理解しようとし始めます。楽器も、授業で鍵盤ハーモニカやリコーダーなどが登場し、上手に正しく演奏することが求められるように。
そして、音楽を成績で評価され、音を楽しめなくなってしまう子どもたちがたくさん出てきます。
ヒップホップダンスなどの必修化など、ダンスを嫌いになる子が増える日本の教育環境。評価で勝ち負けを出す意味がどこにあるのでしょう?
音楽やダンスは、ストレス解消できるものなのに、ストレスの原因になるなんて!と思う私です。
中学生以降になれば、様々な音楽を楽しむようになります。
「ピアノの伴奏に合わせて歌をうたう」段階から、バンド音楽や吹奏楽部の音楽のように、複数の楽器を使った音楽を理解できるようになります。
私は以前、オーディオを趣味として楽しんでいた時期があるのですが、音の再生に挑む派と、音楽の再生を求める派とでアプローチが違う事を学びました。
分かりやすく言えば、映画館の様な臨場感は音の原音再生、レコードや真空管アンプなど原音とは明らかに違うけれども温もりを感じたり、歌い手、演奏者の熱量を感じて楽しめるのが音楽再生という感じでしょうか。
「楽」の一文字の違いだけですが、音楽は「音を楽しむ」と書くだけに、同じCDでも機材のセッティングや電気の特性によって全く違う感じになります。ホームオーディオにこだわる人々は、皆自分の家の音楽が一番だと言うわけです。
話を元に戻すと、音楽には成長のバロメーター的な要素や、自分の能力を高める効果もあるようです。
「最近、音楽聴いていないな〜」と、感じられたあなた、ぜひまた音楽の力を借りてみてはどうでしょう?
ちなみに、最近の私のお気に入りソングは、adoさんの「阿修羅ちゃん」です。息子と娘と一緒に楽しんでます!
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この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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コーセリプロジェクトHP