抱っこはいつまで?大切なのは子どもを安心させるための行動と計画性【藤原さんの育児学Vol.55】
抱っこは何歳で卒業?休日の過ごし方の注意点は?今回は親子の時間にまつわるコラム
みなさん、こんにちは。
夏休みが終わったと思ったらもう10月。月日の流れは早いですね。先日買い物に出かけたら、既にクリスマスグッズが並んでいました。当店は昨年、コロナ禍でクリスマスの飾り付けを抑えていましたが、今年は飾り付けしたい気分。楽しい年末年始を今から願っています。
さて、今回の子育てコラムは「抱っこ」について書いていこうと思います。
年配の人から「抱っこ癖がつく」と言われたとか、ベビーサークルに入れて抱っこしないといった話も聞きます。小さいうちは軽くても、成長すると重たくなり、関節や腰が痛くなって親の方が嫌な時もあれば、逆に子どもが嫌がって抱っこさせてくれないといった悩みを聞くこともあります。
育児の負担という面で考えると、抱っこはかなり負担の要因になっているのかもしれません。
抱っこができない時は物理的な距離「ゼロ」を心がけて
赤ちゃんが誕生してすぐから抱っこは始まります。首が座っていない時の抱っこはとても気を遣いますよね。
後追いの時期には、ママがずっと抱っこかおんぶしていないと泣きますし、転んだりして泣き始めると抱っこしないと泣き止んでくれません。お店に来られる家族を見ていると、抱っこに慣れているかどうか一瞬で分かるのですが、特にパパが自信なさげに抱っこしている姿をみると微笑ましい気持ちになります。
スーパーでの買い物、ドラッグストアでのオムツやティッシュなど大物の買い物、道路近くのお散歩など、パパが抱っこして子どもの行動を抑えてくれていると、ママは助かるのではないでしょうか?
子どもにとって抱っこは、親の体温を感じたり、親の声を聞き取ったり、親を独占できているという安心感になったり。また、咳が出た時など呼吸が楽な姿勢であったり、眠りやすい姿勢だったりと、たくさん必要な理由が挙げられます。
とは言え、当店のお客さんの中には、体に障がいがあったり、腰痛持ちであったりと抱っこができない方もおられます。子どもを抱っこしたいのにできない場合、私は手を握ってあげるだけでも、体のどこかをふれるだけでも子どもは安心しますよと伝えています。
大切なことは、物理的な距離をゼロにすることだと私は思います。
抱っこは小学校入学までは頑張りましょう!
時々、「抱っこは何歳くらいまでですか?」と質問される事があります。
私の回答は6才、小学校入学までは子どもが求めるならば頑張ってくださいと伝えています。
欧米では「ハグ」の文化があり、大人になってもふれあうことが多いのですが、私の子どもの時を思い出しても日本では、ふれ合う機会は少なかったように感じます。昔の日本は、お風呂を家族で入る光景も一般的でしたが、最近はシャワー文化で一人ひとりになってしまいました。
満員電車やお祭りなど、赤の他人とふれあう事は多い日本社会ですが、身近な人との距離間で悩んでいる人も多いように感じます。
子どもとの週末時間は“特別”ではなく“いつもの”で過ごしてみて
近年、共働き世帯が増え、休日しか親子の時間が取れないために、休日を特別な時間として質を高めようと頑張っている親を見かけます。毎週のように遊園地や外食、いろいろな施設に連れて行って子どもとの時間を充実させようとされている方もいます。
しかし、それによって子ども達が疲れていることも。家族と一緒が癒やしの時間ではなく、子どもも頑張らないといけない時間になってしまい、結果的に子どもの情緒が不安定になって、育児が大変になっている家庭の相談を受けます。
親に抱っこされて絵本を読んでもらったり、近所の公園で一緒に遊んだりする特別ではない経験。言いかえるとお金では解決しない時間が、子どもには必要だと思います。
冒頭で「抱っこ癖がつくから」と言う人がいると書きました。
歩き始めた以降の子どもは、身体を動かしたい欲求が強く、癖とまで感じるくらい抱っこを求める行動の裏には、親子のコミュニケーション不足という問題が隠れているのでしょう。それを結果として「癖」と感じるんだと思います。
また、ベビーサークルに関しても、子どもが「見たい・さわりたい・やってみたい」という向学心を奪ってしまうので私はオススメしません。
抱っこしながらでは家事は難しいですから、おんぶ紐やハイチェアなどを使って家事を一緒にやっている気持ちにさせてあげる事が大切です。
「抱っこさせてくれない」時の攻略ポイントは“ママの笑顔”!?
さて、最後にひとつ抱っこをさせてくれないという相談へのアドバイスを書いて終わろうと思います。
赤ちゃんが抱っこをさせてくれない理由は、月齢や発達段階で色々と対策がありますが、一番はママと会話をしているか、ママが緊張していないかを赤ちゃんは見ていると思ってください。
よく、家族の中でもお爺ちゃんはダメとか、男性には警戒すると言われますが、お爺ちゃんとママの会話シーンを赤ちゃんが見ていなかったり、夫婦間の会話に緊張感があると、夫でさえも抱っこさせてくれないのが赤ちゃんです。
逆に、初めて会ったばかりの私でも、お母さんといろいろ話をした後なら抱っこさせてくれたり、普段男性が苦手という赤ちゃんでも私には懐いてくれたりします。
赤ちゃんの判断基準は、お母さんの表情や感情を表しているので、お母さんを笑顔にすることができれば、赤ちゃんも抱っこさせてくれると思いますよ!
【合わせて読みたい】[イヤイヤ期大解剖その1]赤ちゃんへの対応は言葉ではなく行動で示そう【藤原さんの育児学Vol.46】
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この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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